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最終リランキングまであと1試合 ジャンボに「バチクソ怒られて」成長中の泉田琴菜が自己ベストで急浮上、高木萌衣は「ラストスパ―ト」

<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 最終日◇15日◇新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知県)◇6560ヤード・パー72>

シード権を持たない選手を対象とした第2回リランキングは次戦の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で確定する。

「日本女子オープン」と「JLPGAツアー選手権リコー杯」の国内メジャー2試合と日米ツアー共催「TOTOジャパンクラシック」を除く、今季の残り6試合すべてに出場するには、リランキング30位前後が目安となる。昨年実績は同28位まで。ボーダーライン上の選手にとっては、1打も無駄にできないしびれる戦いは最終盤を迎えている。

プロ3年目の25歳・泉田琴菜は11位タイから出た最終日に4バーディ・2ボギーの「70」をマーク。トータル7アンダーでツアー自己最高の8位タイに食い込んだ。44ポイントを加算してメルセデス・ランキングは73位に浮上。暫定リランキング順位は前週の31位から“圏内”といえる24位に浮上した。

昨年のファイナルQTは64位に終わった。少ないチャンスをモノにして第1回リランキングで38位に入り、中盤戦の出場権を獲得してここまできた。今年の「NEC軽井沢72ゴルフ」では初のトップ10入り(10位T)を経験。今大会はそれを上回る結果を残せた。

「昨年、おととしとトップ10に一度も入れずに終わっているので、何かが変わっているんじゃないかなと思います」と話す。今年は一念発起して1月4日にレジェンド、ジャンボ尾崎の門をたたいた。その成果を徐々に感じている。

小学から中学生まで野球をやっていた泉田。元プロ野球選手でもあるジャンボの視線は自然と鋭くなる。入門当初は期待値が高いからこそ、泉田の取り組む姿勢に「帰れ!」、「あしたから来なくていい!」など厳しめの叱咤もあった。

「バチクソ怒られました(笑)。でもこれがみんな通る道だと思って…そういう言葉を受けたくて今年からお世話になっています。疲れた中で練習していても身にならないと納得できます」

レジェンドの厳しめの言葉にめげることなく、気持ちを入れ替えて教えを守る。ジャンボから言われていることは「ボールを打つより、素振りしろ」。トーナメントに出場すると好きなだけボールが打てるので、かえって打ち込みすぎることがある。「素振りが大事、基礎が大事とおっしゃっています」とジャンボ特製の素振り棒での振り込みは怠らない。体をねじってタメを作り、ゆっくり大きく振ることを意識している。

今季2度目のトップ10入りには「ポジティブに考えられるところもありますが、きょうも大事なところで攻めすぎてボギーをしたり、バーディパットが決めきれなかったり…。そういうところで落とすから上位に食い込めない。今後の課題でもあります」と反省の弁が出てくる。

第2回リランキングまであと1試合。「今年はもともとQTも良くなくて、勉強できるシーズンになったらいいかなと思っていましたが、チャンスがあるので一生懸命がんばりたい」と意気込む。

泉田のほかにも暫定リランキング順位に変動があった。前週の「ソニー 日本女子プロ選手権」で予選落ちを喫した高木萌衣は、暫定リランキング25位で今大会に臨んだ。「リランキングのことはもちろん頭にある。それだけに先週は残念だった」。宮城での“最終決戦”を前に、当確ランプの点灯を狙った。

「ぐしゃぐしゃだった」というパッティングを修正。大会前に谷原秀人、上井邦浩ら男子プロも指導する吉田直樹コーチに見てもらい、スムーズなストロークを取り戻した。さらに、「いろいろ試して、自分が思ったところに打てた。今まで一度も使ったことはなかったけど」というマレット型のパターを投入したのも奏功。17位タイで最終日を迎えた。

2022年の「北海道Meijiカップ」(7位タイ)以来、2度目のトップ10入りを目指した。「上位とはそんなに差もないし、そこを意識してやりたい」と強い気持ちで臨んだが、2バーディ・1ボギーの「71」。スコアを伸ばしたものの順位は変わらず、17位タイで終えた。

それでも18.54ポイントを加算して、暫定リランキングは22位に浮上した。開幕戦から1試合も休むことなく皆勤を続けるプロ10年目のシーズン。「取れるものなら」と初のシードも見据えたラストスパートに入る。

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