「これからも見守ってくれると思う」 ベテラン笠りつ子が恩師・坂田信弘氏に捧げる『65』
<NEC軽井沢72ゴルフ 初日◇9日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6685ヤード・パー72>
2016年大会優勝の笠りつ子が10バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「65」をマーク。7アンダーで暫定ながら単独首位発進を決めた。メルセデスランキング62位と現状ではシード圏外に位置しているものの「しっかり一試合一試合やれば、(ランキングは)上がっていくと思うし、諦めずにやっています」と前向き。先週、今季初のトップ10入り(5位タイ)を果たした勢いで、3年ぶりの通算7勝目を目指す。
1番パー4の2打目を9番アイアンで1メートルにつけてバーディ発進を決めた笠は、続く2番パー5も3打目を1メートルにつけて連続バーディ。8番パー3では10メートルのバーディパットを沈めるなど、ショットもパットも好調だった。後半出だしの10番パー4はティショットが「右にペラって」とダブルボギーとしたものの、12番からの7ホールで5バーディ。「3~6メートルを入ってくれて、いつの間にか10個(バーディを)取っていました」と振り返った。
トップ10フィニッシュは先週が今季初めてだったが「7月から調子は良くて、ショットが良くなったことで、パットも入るようになりました」。パッティング練習ではフェースをこねないように意識しているという。
ジュニア時代は先月22日に亡くなった坂田信弘さんが主宰する熊本の坂田塾で腕を磨いた。「古閑(美保)先輩や桃ちゃん(上田桃子)がいて、楽しかったので続けられたし、厳しかったけど、やめたいと思ったことはありませんでした。これからも坂田プロが見守ってくれていると思ってプレーしたいです」。最後に顔を合わせたのは昨年12月の忘年会。「少し痩せたぐらいで、お元気で楽しい会だったのですけどね」と振り返った。
11月で37歳、プロ19年目を迎えている。「ゴルフ人生がいつ終わるか分からないので、今は出られる限り、一生懸命やろうと思っています」とした一方で、「年齢は関係ないので、気にせずやっています」とも話した。
この日は午後1時22分に降雨のため、プレーが中断し、再開されることなくサスペンデッドとなった。出場108人中87人がホールアウトできなかったが、アウトの2組目でプレーした笠は無事に第1ラウンドを終了。会見中には窓に叩きつけるように振る雨に「洗車みたい」と驚いた表情を見せた。
暫定首位発進にも「まだ初日ですし、明日もジワジワ行きたいと思います」。2日目に27ホールをプレーする選手もいることを考えれば、第1ラウンドを終えられたのは好材料。運も味方につけ、ベテラン健在をアピールする。(文・田中宏治)
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