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“イメージ通り”のチップインバーディ 畑岡奈紗は逃げ切りのメジャーVへ「上にいる方がアドバンテージ」

悲願のメジャー制覇へあと少し。畑岡奈紗、最終日はどう攻める?(撮影:ALBA)

<全米女子オープン 3日目◇8日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>

米ツアーに参戦して7年目。畑岡奈紗は“メジャータイトル”獲得に王手をかけた。ムービングデーに今大会ベストスコアの「66」を叩き出し、メジャーで初めて単独首位に立って最終日を迎える。

トータル1アンダーの5位タイで迎えた3日目は、バーディ発進とすると6番パー5でもひとつ伸ばした。9番では2メートル強を沈めてガッツパー。すると「予選2日間では攻略できていなかった」と、ここまでに3つ落としていたバックナインでも勢いは止まらない。10番、13番ではロングパットを流し込み、スタート時に6打あったトップとの差は1打にまで迫った。

そして背中を捉えたのは16番。左ラフからの2打目はグリーン奥のセミラフにわずかにこぼれた。下りで速く、大きく曲がる傾斜のラインにも「きのう同じようなチッピングをしていたので、イメージは良かった」と、プレーをはっきりと頭のなかで思い描く。カップから左に2メートル向き、「まずコンタクトさせることに集中」しながら58度のウェッジで拾ったボールは、大きな弧を描いてカップに向かい、そのまま消えた。

「まさか入ってくれるとは思わなかった」とガッツポーズも飛び出したスーパーアプローチ。これで首位に並んだ。続く17番パー3も奥3メートルの下りのラインを丁寧に沈めてその位置を守り、後続がスコアを落としたことで単独首位となった。

これまでトップ10入りは7回を数えるメジャー大会。2018年「全米女子プロ」では三つ巴、21年「全米女子オープン」では笹生優花とのプレーオフで惜敗した。「2打差とか3打差で追いかける方がラクと言われることも多いんですけど、今まで追いつけずに逆に悔しい思いをしたことの方が多い。やっぱり上にいる方がアドバンテージだと思う」と心境を話し、“単独”トップに立ったことを喜ぶ。

求めているタイトルが目の前にある。「楽しみな気持ちもありますし、もちろん緊張すると思う。自分のいまやっていることと、サポートしてくれてる人達を信じてできれば」と見据えるラスト18ホール。「それを目標にやってきている」という“悲願”達成に向けて、態勢は整った。(文・笠井あかり)

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