
『777』という、何かと縁起のいいネーミングを契機に〝らしさ〞全開の新作でこの秋勝負をかけるのが本間ゴルフ『TW777(トリプルセブン)』だ。試してみると、新素材のチタンカーボンと独自機構を生かした〝フィッティングヘッド〞がアツかった。
TW777 MAXは超オートマ
前作『TW767』は10K超えの高MOIを追求したが、今年の『TW777』はうって変わって〝らしさ〞全開。象徴のモグラのロゴが前面にきて、シャフトを回さない『ノンローテ可変』で弾道調整しやすい〝らしさ〞も踏襲。まず、アベレージ層に最適なやさしい『TW777 MAX』から試した市原はこう言う。
「投影が大きく安心感のある『TW777 MAX』を試すと超高弾道ストレートが連発。純正のVIZARD for TW777(S)だとややスピンが多めでランが出づらくなってしまうので、ヘッドスピードを45m/sから42m/sに落として打つと、ランを稼げる中・高弾道ドローになりました。コレが『TW777 MAX』本来の性能で、ターゲットゴルファーが使うと驚くほど弾道が安定します。
純正シャフトはしなり量が多くて程よく走る感じで、ヘッドも打点ブレに強くて程よくつかまるオートマ同士の組み合わせだと言えます。低弾道に悩んでいる人や、スピン量が少なすぎてドロップしがちな人、安定して球をつかまえたい人に最適なドライバーだと感じます。試打の注意点としては、元々球が高い人やスピンが多めの方は『TW777』から試す方がいいでしょう」(市原)
無段階の調節性を誇る、独自のノンローテ可変もできるが「かなりオートマな組み合わせなので、ストレートドローで安定するポジションを一度決めたら、基本、動かす必要がないですよね」。市原の場合、ノーマル設定でHS42m/sに抑えるだけで同じ球しか出ない結果になった。
TW777はいい顔で調節性◎
かたや『TW777』は、思い通りの弾道を自在に操れるホンマらしさ溢れるヘッド。『MAX』も同様に、チタンカーボンでソール剛性を上げてエネルギーロスを防いでいるが、副産物として軽量化による余剰重量で、前3.5g、後20.5gの可変ウェイトの搭載も可能になった。可変やカスタムシャフトの変更で七色の弾道を披露した市原は、スタンダードモデルの利点をこう言う。
「ダントツにいい顔と言いますか、キャリアを重ねた国内男子ツアー選手がみな好きな顔ですね。コース攻略のため、コーナーから球を操るイメージも湧きますし、強い球が打てそうでその気にさせてくれます。実際、カスタムシャフト『VIZARD BLUE』のノーマル設定から打ち始めましたが、ライナーフェードですごく低スピン。左を消せてランも出るし、思い切って球を押し込めるから、そりゃ飛びますよね。
それに『TW777』は当たった後にロフトが立つ感じで長く押せるフィールというか、プロはもちろん、中・上級者にも好まれる操作性もいいタイプ。『VIZARD RED』と入れ替えるとつかまりが変化するうえ、ウェイトで超浅重心設定にもできますし、シャフトを回さない可変でさらに思い通りの弾道を追求できます。試打の注意点として、スピン量が少ない人はロフト10.5°から打ってほしいです」(市原)
実際、前後にウェイト可変をするまでもなくノーマル設定で超低スピンだった市原。「HS45.6m/s、ボール初速67.9m/s、キャリー239.8y、バックスピン1865rpm、トータル279yd」のライナーフェードを記録。これ以上の浅重心だとドロップしてキャリーが出ないため、ノンローテ可変のテストに切り替えたほどだった。
360 Tiは最大級のミニドラ
これまで『LS』という小ぶりなヘッドがあったが、今作では消滅。代わりにミニドラ史上最大ヘッド・360㎤の『TW777 360 Ti』の用意に市原は「ウェイトを前後に入れ替え浅重心にすると『LS』的な位置づけにもなるし、ノーマル設定でもやさしく弾道操作しやすい」と、通常長さのモノとまったく変わらない飛距離を披露した。
「正直、このまま持って帰りたいくらいの好印象で、基本的に強弾道ストレートで弾道操作は何でも出来るし、顔も最高ですね。外ブラから火がついたミニドラですが、このカテゴリでは最も投影が大きくてディープフェース。地面から打つにはパワーが必要ですが、基本的には大型ヘッドが苦手な方のティショット専用になりそうですね」(市原)
このように、日本で長く愛されてきた老舗ブランドだが、今作はHONMAロゴを含むデザイン一新で、一見、外ブラと見紛う雰囲気を持つクラブへと生まれ変わった。それでも、打つと弾道操作に長けた〝らしい〞フィールは健在で、「血統、昇華。」というテーマにふさわしい仕上がりだと感じる。体感した市原はこう締めくくった。
「スタンダードな『TW777』もミニドラ『TW777 360 Ti』も、当たった後の5〜10センチくらいでHONMAのドライバーはロフトが立って押せるフィールがあります。これって強い球でランを稼いで飛ばせると本能的に感じられる通好みなフィールで、男子プロは状況に応じて飛ばせるから大喜びすると思いますよ。やっぱり〝いい顔〞のイメージとつながっているというか、弾道を自在に操りたい中・上級者にはたまらないです」(市原)
✦取材協力/南茂原カントリークラブ
✦撮影/相田克己
Follow @ssn_supersports



