
<パナソニックオープン 2日目◇26日◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇6993ヤード・パー71>
感心し、刺激を受け、そして苦笑もした。小平智が1イーグル・3バーディ・1ボギーの「67」で回り、首位と2打差に迫った。季節はもうすぐ10月ながら、蒸し暑さで汗が止まらない一日。だが、疲れの理由は気候だけではなかった。
「ホント、ここ何年かで一番しゃべったラウンドでした。気持ち良く回ってもらおうと思って、きょうは盛り上げ役でしたよ」
予選ラウンドの2日間はツアー通算20勝の大ベテラン・谷口徹と同組だった。2021年「ブリヂストンオープン」の予選ラウンド以来となる“共演”。おしゃべり好きの57歳のマシンガントークに相づちを打ち、5月の「中日クラウンズ」以来となる予選通過を目指した57歳を盛り立て、同時に驚いた。
谷口は同じ組の稲森佑貴との飛距離対決で“一喜一憂”。「毎回のように勝った、負けたをやっている。ラウンド中ですよ。そういう気持ちがすごい。まあ、稲森は『うるさいなぁ』と思っていたんじゃないかな。僕は審判役でした」。“アラ還”となっても衰えぬ闘争心と遊び心で、27歳下の稲森との対決を楽しんだ。
「あの年齢になっても、谷口さんは向上心がある。さすがだぁと思う。久しぶりに一緒に回ったけど、前よりもショットは良くなっているし、アプローチもパットもやっぱりうまい。57歳になっても、変わっていける。そういう姿を見せてもらえて、すごく刺激になりました」
36歳の小平は8月に7年ぶりとなるツアー通算8勝目を挙げた。12月には米ツアー復帰を目指してQT(予選会)に挑戦する。現状は2次からだが、日本で賞金ランキング1位になれば最終から出場できる。
「今はQTがすごくモチベーションになっている。あと2つ、3つ勝って、QTに行けたら最高です」
賞金ランクは現在7位で、トップの生源寺龍憲とは約2824万円差。今大会の優勝賞金2000万円を加算できれば、あっという間に差は縮まる。
今季2勝目へーー。「距離もあって、難しいホールのあるインをいかに攻略するかですね」。予選2日間のインは3バーディ・3ボギーのイーブン。惜しくも予選落ちした谷口の姿が消えた静かな舞台で、不屈の大ベテランに負けない熱いゴルフを展開し、勝負どころのバックナインに挑む。(文・臼杵孝志)
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