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“大ドロー”→“小フェード”奏功 20歳・桑木志帆が初のトップ3入り

同期の岩井ツインズにも刺激。20歳・桑木志帆がうれしいトップ3入り。(撮影:佐々木啓)

<ブリヂストンレディス 最終日◇21日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6573ヤード・パー71>

9位タイから出た桑木志帆が「68」とスコアを伸ばし、今季初のトップ10入りとなるトータル9アンダーの3位タイでフィニッシュした。昨年5月の「リゾートトラスト レディス」でマークした単独4位を上回る自己最高成績。オフに大きなドローからストレートに近いフェードへと大幅に球筋を替えた成果が出始めている。

大会に珍プレー大賞のようなものがあれば、間違いなく選ばれていたであろう一打。それが3日目の9番パー5で桑木が放った2打目だ。通常のルートでは池の右から攻めるが、桑木は左に大きく引っ掛けた。ボールは池の左淵の岩に跳ねると、続いて浅い池にバウンドして池の左サイドへ。「誰も行かない場所なのでライも良かった」とこれが不幸中の幸い。3打目を2メートルにつけてバーディを奪った。JLPGAの公式SNSに取り上げられたこともあり「いろんな方に『ラッキーだね』と声を掛けられました」と苦笑いだった。

そんななかで迎えた最終日は特にラッキーはなく、実力で5バーディ・2ボギーの好プレー。大会前には宮里藍とのトークセッションで感情の起伏が激しいことを相談し、「イライラしたときはジャンプをするなどして、感情を行動に移すといい」とアドバイスを受けたが、「今週はスムーズに回れたので、怒るような場面がほとんどありませんでした」。実際にジャンプをしたのは初日の数回だけだった。

オフには知り合いのプロの紹介で複数のゴルフスタジオに足を運び、計測機器を使って、自分のスイングを分析した。ドローの曲がり幅を抑えるというテーマで役立ったのはトラックマン。「クラブパスが極端にインサイドから入っていたので、ストレートに近いパスを目指しました」。結果的に現在の球筋はストレートに近いフェードにまで変化。「今まではめちゃくちゃ右を向いてアドレスしていたのが、真っ直ぐ構えられるので回りやすくなりました」。

苦手だった20~50ヤードのアプローチでは、重心の移動などを計測するスイングカタリストを活用した。「左右の重心移動は特に問題がなかったのですが、計測の際、体が浮いているというか重心が高いという指摘を受けました。今はどっしりアドレスを取るようにしています」。特定のコーチの指導は受けておらず、計測機器で課題が見つかっても、解決策は自分自身で考えている。

岩井姉妹(明愛・千怜)ら同い年の選手が先に活躍している現状に「悔しいんですけど、いろんな方が『焦らなくていい』と言ってくださるので、今回のように上位に食い込むプレーを続けていきたいです」。その先に初優勝があると信じて、一歩ずつ結果を残していくつもりだ。(文・田中宏治)

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