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日本勢メジャー“1、2フィニッシュ”は史上初 2位・渋野日向子が“妹”笹生優花Vを祝福「自分もうれしい…またこれで日本が盛り上がる」

笹生優花と渋野日向子がハグ(写真:USGA)

<全米女子オープン 最終日◇2日◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583ヤード・パー70>

優勝した笹生優花、2位の渋野日向子。笹生にとっては全米2勝目だったが、前回はフィリピン籍での出場だったため、全米ゴルフ協会(USGA)の記録上、今回が男女ゴルフを通じて、日本勢がメジャー大会で1、2フィニッシュを決めた初めての大会になった。

トータル4アンダーだった笹生に対し、渋野はトータル1アンダーという結果だっただけに「3打差ついてますけどね」とも言うが、4日間通算でアンダーパーは2人のみ。「自分にとってもうれしい気持ち。優花が勝ったことで、すごくプラスな前向きな気持ちにさせてくれる。またこれで日本が盛り上がるんじゃないかなと思います」と満面の笑みを浮かべる。

日頃から仲がいい二人。コースで笑い合う姿はおなじみの光景だ。そんな渋野が一言で表す笹生は「すごい妹感がある(笑)」。ただ「しっかりしているから、(渋野が)年上ながら頼ってしまうところもある」とも明かす。「さっき優花が『渋野さんと友達でよかった』と言ってくれたけど、『こっちが友達でありがとう』って…、どういう意味か分からないけれど(笑)。すごく良くしてくれています。面倒を見てもらっています。パパにもお世話になっているから」。心からの祝福を送る。

単独2位で賞金129万6000ドル(約2億300万円)を獲得。これを受けて、公式会見では『何か買いたいものはあるか?』という海外の記者からの質問が投げられた。すると「う~ん」と少し悩んだ後に出した答えは、「優花におごってもらいたい(笑)」。優勝で賞金240万ドル(約3億7000万円)を手にする“妹分”におねだりだ。そのことを取材の場で聞いた笹生は大爆笑し、「先輩ですよね?(笑)。一緒にご飯を食べたいと思います」。近々、お互いの健闘を労う“祝勝会”が開かれるかもしれない。

首位と2打差からの逆転を狙った渋野だったが、2バーディ・4ボギーの「72」と落とし、2019年の「全英AIG女子オープン」以来となるメジャー優勝は持ち越しになった。それでも、「ここまで予選落ちを何回してきたっていう、そういうレベルなので、まさかこの位置で終われるとは思わなかった」と首から下げられた銀メダルを誇らしげに眺める。「うれしい。前(20年)は4位でもらえなかったから。頑張れますね、また」。復活の狼煙となりそうな結果について、素直によろこぶことができる。

全英優勝で得た5年間のメジャー出場権は今年がラストイヤー。ただ、全米に関しては10位以内に入ったことで、来年も出られることが決まった。「やったー! それはそれで、また来年頑張ります」と大きなモチベーションになる。

さらに、この結果、ツアーのポイントランクで416ptを加算。大会前まで138位だったランキングは、計426.475ptとなりランキング32位まで上がる見込みだ。昨年のシードのボーダーライン(ランク80位)が382.064pt、一昨年が379.840ptだったことを考えると、単純比較にはなるがそれを上回ったことになる。シード復帰という点でも、大きな意味を持つ試合になった。

渋野といえば、メジャー大会での活躍が印象に残る。ただ本人にしてみると「いやいや、勝たないと意味がないから(笑)」。そして「また優花を目指して頑張ります」と、ここでも受けた刺激を言葉にする。

リーダーボードもこまめにチェックし、「おおおーおおおーみたいな。すごい選手が上にいるから、なんでここに自分がいるんだろう?みたいな感じではあったかも」という緊張の18ホールが、大きな光になる。ここからも“切磋琢磨”を続け、自らもメジャー2勝目へと近づいていきたい。(文・間宮輝憲)

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