
<大王製紙エリエールレディス 最終日◇23日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6595ヤード・パー71>
メルセデス・ランキング(MR)49位とシード圏ギリギリで大会を迎えていたルーキーの都玲華は、今までに感じたことのない緊張感と戦いながら、4日間をトータル2アンダー・26位タイで終えた。これによりMR50位のボーダー上になんとか踏みとどまり、プロ1年目で“トップ選手の称号”を手にした。
「こんなに体が動かなかったのは初めてでした。ポジティブな性格だし、あまり気になるタイプではないけど、自分もこうなるんだって感じました」
シード争い最終決戦の4日間を、こう振り返る。最終18番は、そんなプレッシャーからか8メートルから3パットを喫し、ボギーフィニッシュ。「73」と2つ落としてのホールアウトは「悔しい」と本音も出るが、「先週までガマンしたい時にガマンできず、ズルズルいくことが多かった。その課題をクリアはできました」と、及第点は与えられる内容だった。
この立場になって知った“シード”のプレッシャー。それはこんな言葉からも伝わってくる。「自分に『大丈夫、これを外しても死なないから』とか意味わからないことを唱えながらやっていました。そんなこと考えたこともなかったです。あとは『世界は広い、世界は広い』とか唱えたり。こんなの初めてですね」。ラウンド後には笑い話にできたが、その重圧のなか戦うのがプロの世界で生きていくということ。改めて厳しさを“極限”の状態で経験することができた。
4度目の挑戦で昨年のプロテストに合格。しかしQTは53位と満足な結果を残せず、自身の今季初戦は3戦目の「アクサレディス」になった。下部のステップ・アップ・ツアーにも3試合出場。だが、5月のメジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」で8位に入ると、潮目が変わった。第1回リランキングで15位になり、中盤戦以降はレギュラーツアーが主戦場に。トップ10入りも4度果たし、来季の出場権に手が届いた。
それでも初優勝は挙げられず、襟を正す。「QTがうまくいかなくて、その後リランキングを突破して、シードが獲れたのは良かった。だけど、悔しい一打への思いの方が強いし、もっといけたんじゃないかなって思います」。そして、「これが今の実力」という言葉をかみしめた。
オフは課題のショートゲームを鍛えながら、寒い冬を越えるつもり。来年2月には師事する石井忍コーチと、その門下生たちとの恒例のタイ合宿も控えており、飛躍への準備を続けていく。「(ショートゲームを向上させれば)来年はもっと上で戦えて、優勝争いができるシーンも増えてくると思う。頑張りたい」。“ミヤコレ”の愛称もすっかり定着。2年目となる2026年シーズンは「優勝してTOTOとリコーに出たい」という目標実現の年にしたい。
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