今週国内女子は『第2回リランキング』を実施! 出場権かけた争い…現在のボーダーは? 崖っぷち選手は?
<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 事前情報◇21日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6569ヤード・パー72>
今週、宮城で行われる国内女子ツアーは、畑岡奈紗、勝みなみの米国組参戦など大きな話題を提供してくれている。その裏で、もうひとつの“熱い戦い”も。大会終了後には、非シード選手を対象に優先出場順位を入れ替える『第2回リランキング』が行われる。ビッグトーナメント目白押しの秋の陣を前に、今後の出場権を巡る争いにも注目が集まる。
■そもそもリランキングって何?
まず、選手の出場権についての概要を大まかに説明すると、前年のシーズンでメルセデス・ランキング50位まで(シード)に入れなかった選手は、同51~55位までは翌年の前半戦出場権が付与、それ以下は予選会(QT)に参加することになる。このQTで、より上のランクを目指すことになるのだが、それは『QTランク1位の選手=QTに参加した選手のなかで1番目に出場権がおりてくる』という仕組みがあるから。そして、前半戦出場権獲得選手も含め、この優先順位をシーズン中に見直すのが、リランキングだ。今年は第1回が6月の「ニチレイレディス」後、そして第2回が今週の試合後に行われる。
“見直す”ということもあり、この制度で笑う選手、泣く選手が登場する。例えば第1回では、QT82位の比嘉真美子がリランキング11位まで浮上したり、QT131位の木戸愛がリランキング35位まで上げ、夏場の出場権を大幅に増やした。一方で昨年のメルセデス・ランキング52位になり前半戦出場権を確保した河本結は、リランキングで70位まで後退。それにより出場が決まらないまま会場に来てウェイティングで待機したり、下部ツアーに出場することになるなど、結果に左右された。
来週の「日本女子オープン」は、日本ゴルフ協会(JGA)主催で出場するための道筋が一部異なるため、新たな優先出場順位は2週後の「スタンレーレディスホンダ」から適用される。なお昨年の実績を見ると、この第2回リランキングで25位前後までに入っていれば日本女子オープン、「TOTO ジャパンクラシック」、「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を除く6試合にフル出場できる見込みがたちそうだ。
■大会前の状況は?
前置きはこのあたりにして、実際にランキングを見てみると、現在ボーダーラインとなるリランキング25位にいるのは211ptのフェービー・ヤオ(台湾)。つまり、このラインを下回っている選手は、今週、それを突破するだけのポイントを稼ぐ必要がある。とはいえ、26位の藤本麻子(197.91pt)、27位の泉田琴菜(194.90pt)、28位の比嘉(191.56pt)あたりは、ほとんどの試合には出られそう。ただ、“安全圏”には浮上したいところだろう。
順位が下がるにつれ、出場できない試合も多くなるため、さらに下の順位の選手は気合を込めたい。例えば現在30位につけるルーキーの鶴瀬華月(186.57pt)は26ポイントが得られる単独17位あたりが、ひとつの目安になる。ステップ1勝の篠崎愛(139.03pt)でいうと、70ポイントが得られる単独4位以上が、ボーダーといったところか。
QTランク15位で、開幕をレギュラーツアーで迎えながら、第1回リランキングでその順位を53位まで落とした種子田香夏は、出場にこぎつけた「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」39位タイなどもあり、リランキングも36位まで上昇。90ptが加算される単独3位以上で、25位以内に入れる可能性が高まるため、シーズン中の“返り咲き”へ意地を見せたい。
42位の吉田弓美子(98.83pt)、45位の木戸(87.78pt)らツアー優勝経験者も、さらに後続から上位をうかがう。なお優勝すれば、翌年までの出場権が確保されるため、もちろん“一発逆転”の可能性も残されている。この後には、賞金総額2億円の「マスターズGC レディース」などが控えているため、職場をかけた選手たちの白熱バトルの結末も見守りたい。
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