シャフトを戻してパーオン連発! 蛭田みな美は2勝目逃すも手応え「またチャンスもある」
<伊藤園レディス 最終日◇12日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>
初日から上位でプレーしてきた蛭田みな美が3日連続の60台となる「69」をマークし、通算12アンダーの3位タイに食い込んだ。トップ10は5試合ぶり、トップ5は9試合ぶりと久々の上位フィニッシュ。プロになって初めてQTのことを考えずに戦える終盤戦とあって「心境が違いますね」と表情も明るかった。
「ガク~って感じです」。最終ホールで3パットのボギーを叩いた蛭田はアテストを終えると、そう言って苦笑いを浮かべた。13番からの3連続バーディで優勝した西郷真央の背中が見えかけたが、そこからが伸ばせない。「終盤に難しいホールが続くので、仕方がないけど、全然届かなかったですね」。最後のボギーで2位からも滑り落ちた。
それでも、今大会では大きな収穫があった。アイアンのシャフトを以前使っていたモデルに戻したことで「3日間ショットが良かった。これを続けていけば、またチャンスもあるかな」。
最終日はグリーンを外したのが2回だけ。3日間トータルでも、54ホールで46回のパーオンは全体8位の数字。いい時のアイアンの距離感が戻ってきた。愛用のシャフトは廃盤が決まっているそうで、次の相棒を探している最中だったのだが「やっぱりこれが合ってるんだなと思いました」。残りは2試合、新たなシャフト探しはオフに回して、このセッティングで戦うということがはっきりした。
今季は8月の「CAT Ladies」で西郷とのプレーオフを制して念願の初優勝。これまでシードの経験もなく「QTがない年は初めてなんで、それが嬉しいです」。結果的にうまくハマらなかったが、シーズン中に新しいシャフトのテストができたのも、シードが決まっているという心の余裕があったからこそ。「オフのことや来季のことを考えられるのはありがたいですね」と例年との違いを実感している。
“またチャンスもある”とは、当然2勝目を意識しての発言。次戦の「大王製紙エリエールレディス」のコースは「狭いからあんまりいいイメージはないですね。好きとは言えないかな…」。そうなると狙いはおのずと最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」ということになる。こちらは唯一出場した2020年に6位タイと好相性。メジャーとあって、優勝すれば、3年シードが付いてくる。「そりゃあ選手はみんな欲しいですよ」。長期シードを得て、さらなる余裕を手にするのが、飛躍のシーズンを締めくくる最高のシナリオだ。(文・田中宏治)
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