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“無風”が目線のズレを生み痛恨の池ポチャ プロ初優勝を逃した中島啓太「プレーオフで負けるのは悔しい」

プレーオフ3ホール目で痛恨の池ポチャ(撮影:上山敬太)

<~全英への道~ミズノオープン 最終日◇28日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>

トータル17アンダーで並んで平田憲聖とのプレーオフに臨んだ中島啓太。3ホール目の中島のティショットは、コース左サイドの池に転がり落ちて4オン2パットのボギーで2位に終わった。

プロ初優勝は“気まぐれな風”とともに逃げていった。プレーオフが行われた18番パー5は左サイドはグリーンサイドまで池が広がり、右サイドには深いブッシュがある。1ホール目はバーディ、2ホール目はパーと互いに譲らない。カップ位置の切り替え作業を待ち、3ホール目のティイングエリアに立つと「風がなくなっていました」。

基本的に18番ホールは右からアゲンストの風が吹く。フェアウェイ右サイドにフェアウェイバンカーが構えるが、「バンカーは(キャリーで)確実に超えるので4日間、バンカーの上狙いでした。つかまって(左にいって)もフェアウェイ、つかまらなかったら右のラフで、グリーンを狙える」。少しミスをしても2打目でグリーンを狙うためには問題はない。プレーオフ1、2ホール目も狙い通り2打目でグリーン近くまで運んでいた。

中島は右からのアゲンストの風がすごく好きな風という。「右にミスをすることが多いので、それを助けてくれる」と、18番ホールは中島にとってプレーしやすい風だった。しかしプレーオフ3ホール目で風がなくなると「ターゲットにする目線が左になって、少し左を向いてしまった」と話す。

右からの風が無くなったことで、目標をフェアウェイバンカーの左サイドに変えた。打ったボールは少しつかまったが、池に向かって傾斜するフェアウェイを転がって池に消えた。これまで通りバンカー上を狙っていれば、池に落ちることはなかったが、風がなくなり目標を左にしたことで結果的にミスとなってしまった。

一昨年アマ優勝を遂げて、昨年9月にプロ転向した中島は、「プロ初優勝」が今季の一つの目標である。最終日は首位の安森一貴と3打差3位タイからのスタートだったが、8番パー3でバーディを奪って首位に並ぶ。1打ビハインドで迎えた72ホール目の18番パー5ではしっかりバーディを奪って首位タイでホールアウトした。

安森に加えてアマチュア時代から背中を追いかける金谷拓実との優勝争いの中、5バーディ・1ボギーの「68」と伸ばして終われた。「後半に入ってなかなか(ティショットが)フェアウェイにいかなくて、きわどいパーパットをたくさん決められました。プレーしていて楽しかったですし、すごくいい最終日最終組だった」と充実感を漂わせる。

「やっぱりプレーオフで負けるのは悔しい」と語る。後悔があるとすればプレーオフ2ホール目の3打目。左足上りでグリーンも受けている状況で「難しいバンカーではなかったので、タップイン(バーディ)とかそういうイメージを持っていましたが、ちょっと強く入ってしまいました」。“OKバーディ”のイメージを持っていたが5メートルほどオーバーさせたことを悔いる。

勝負には敗れたものの上位4人に付与される海外メジャー「全英オープン」の切符は手にした。今年の会場はロイヤル・リバプール。「17歳の時にジュニアの試合でいきました。僕が初めていったリンクスコースなので思い入れがあります。昨年とはコースが違いますが、リベンジもしたい」。アマチュアとして出場した昨年のセントアンドリュースの“全英”は予選落ちに終わった。思い入れのあるコースで、プロとして初めて出場するメジャーの舞台で成長した姿を見せる。(文・小高拓)

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