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自宅和室に素振り専用部屋 15歳・新地真美夏は重いバットで時差ボケ解消&調子アップ

朝の練習場でバットを振り込む新地真美夏(撮影:ALBA)

<オーガスタナショナル女子アマチュア(予選) 初日◇29日◇チャンピオンズ・リトリートGC(米ジョージア州)◇ 6410ヤード・パー72>

4月から共立女子第二高校に進学するJGAナショナルチーム最年少の15歳、新地真美夏が初めての米国での試合に臨んでいる。その初日は2バーディ・2ボギー・1トリプルボギーの「75」で3オーバー・32位タイ。「トリプルボギーがなかったら自分でも納得のいくゴルフだったと思います」と振り返った。

そのトリプルボギーの場面は、7番325ヤードの短いパー4。「チャンスホールだったんですけど、セカンドでトップしてバンカーに入ってしまって……。そこからアゴに当たって反対側に跳ねて、カート道の後ろまで行っちゃった」。3打目のアプローチはミスして、結局4オン3パットで7打を叩いた。
 
予選ラウンド2日間を終えて30位タイまでが、マスターズの舞台、オーガスタ・ナショナルGCでの決勝ラウンドに進める。トリプルボギーがあったものの、予選通過圏内にはわずか1打ビハインドの位置で「ショットの状態もパットの状態もそこまで悪くないので、もったいないミスを減らしてもう少しバーディを獲れたら、もっと気も楽に回れると思う。練習して明日に向けて頑張りたい」と、15歳は予選通過に意気込む。
 
そんな新地だが、初めての米国での試合で最初の2日間は「ずっとホテルで寝ていました」と時差ボケに苦しんだ。ジョージア州は日本とは13時間の時差がある。それを解消したのは新地の日課となっている“素振り”。重い練習用のバットをホテルで振り込んで、「イメージが良くなる」と球を打たなくても調子を維持した。試合当日の朝も練習場で素振り用の練習器具とバットを振ってから球を打ち始める。
 
神奈川県座間市に住む新地。近くにジュニア割引がきく施設が少ないため、普段の練習で打ち込む球数は同年代のジュニアに比べて少ない。それでもJGAナショナルチームに入るほど力をつけたのは素振りの力が大きい。本格的にゴルフを始めた小学校2年生のときから、自宅の六畳間は新地専用の素振り部屋となった。裸足で地面をつかむ感覚を大事にしながら、「自分の手応えがつかめるまで振る」のが日常となっている。
 
「毎日150回」というバット素振りによって、畳は足の形にすり減ってしまっているが、新地家に張り替える予定はない。重いバットのほか、抵抗の高い竹ぼうきや軽いモップも振って、飛距離に必要な筋力やスピード感を養ってきた。これで思い出されるのは王貞治のエピソード。畳の部屋で素振りを繰り返して、一本足打法を完成させたといわれている。王はホームランの世界記録を作ったが、新地は素振りで世界中のゴルファーの憧れの地、オーガスタを目指す。(文・下村耕平)

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