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ゴルフスイングはボディターンじゃない?今どきは手打ち? 正解はバランスにあり!

3.やり過ぎのデメリットにも注意しょう

ゴルフスイングにおいて、ボディターンもリストターンも必要な要素です。しかし、どちらか一方が過剰になると、クラブが間違った方向へ動き出すため、思わぬミスを招くことがあります。特に、急激な動きは関節に大きな負担をかけ、怪我のリスクを高めるため、過剰なボディターンやリストターンには十分な注意が必要です。

リストターンのやり過ぎによるデメリット

リストターンが過剰になると、インパクトで手首の動きが強調され、ボールが左右に大きく曲がる原因になります。

たとえば、クラブフェースがスクエアや少し開いた状態でトップポジションに到達しているにもかかわらず、ボールが左に飛ぶときは、ダウンスイングでリストターンが過剰におこなわれている可能性があります。フォロースルーで左手の甲が地面を向いてしまっていないか確認してみてください。(右打ちの場合)

特に、中級者から上級者に多いこの左へのミスは、インパクトゾーンで体の回転が止まることでリストが過度に動き、フェースが早く閉じボールが捕まりすぎることが原因です。このような場合、体の回転を止めずに、リストの動きをゆっくりとコントロールすることで、手首の無理な動きを抑えることができます。

ボディターンのやり過ぎによるデメリット

一方で、右へのスライスに悩むゴルファーの多くが、過剰なボディターンの振り遅れに陥っています。体を過度に早く回しすぎると、スイング軌道がアウトサイド・イン軌道になりやすいだけでなく、クラブフェースが開いたままインパクトを迎えるため、スライスが生じやすくなります。

目安として、ダウンスイングのハーフウェイダウン(手が腰の高さにくる地点)で、腰がターゲットラインに対して45度以上開いている場合、ボディターンがやり過ぎになっている可能性があります。ボディターンによる振り遅れを防ぐには、体の回転を先行させすぎず、腕と体の動きを同調させることがポイントです。心配な人は、ハーフウェイダウンで一旦静止し、腰の開き具合いを確認してみましょう。

ボディターンによる振り遅れスライスは、体を先行させないことで改善できると、「ゴルフスイング ボディターンがドライバー振り遅れの原因【動画コラム29回目】」で詳しく紹介されています。

4.自分はボディ派?リスト派?見極め方

さて、自分が「ボディターン派」なのか「リストターン派」なのか、どちらが主導のスイングタイプか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、簡単に自分の主導タイプを確認できる3つの方法をご紹介します。

◆感覚チェックで自分のフィーリングを確認しよう
重い物を引いたり押す動作から自分の体の使い方を知ろう
スイング動画から客観的に分析しよう

これらのチェックを実践すると、スイングの個性や特性をより深く理解できるはずです。

感覚チェックで自分のフィーリングを確認しよう

まず、もっとも手軽にできるのが、自分でボディターンとリストターンを意識的に強調して打ち比べる方法です。それぞれの打ち方を極端に試すことで、どちらがしっくりくるかを感じ取ってみましょう。

たとえば、体の回転を先行しながら全体を大きく回してスイングするボディターンと、手首でスイングをリードしながらインパクトで手首のスナップを使うリストターンを多用するスイングを交互に試すことで、自分にとって心地のよいスイングスタイルが見えてくるはずです。

これはあくまでゴルファーの主観に基づく判断ですが、どちらの動きが自然に感じるかを確認する第一歩としておすすめです。

重い物を引いたり押す動作から自分の体の使い方を知ろう

次に、日常的な動作で自分の傾向を見極める方法です。

たとえば、重たい物を押したり引いたりするとき、腕や手の力を使って押し引きするタイプの人は、リストターンに依存しやすい傾向があるかもしれません。一方、腹筋や臀部の筋肉を使って全身で押し引きする人は、ボディターン重視のスイングを得意とする可能性が高いです。日常の体の使い方がゴルフスイングにも反映されやすいため、これも一つの見極め方法として有効です。

スイング動画から客観的に分析しよう

もう少し客観的に自分の主導タイプを見極めたい場合は、スマートフォンで自分のスイングを撮影してチェックするのがおすすめです。

具体的には、ダウンスイングのトップポジションから手が腰の高さに下りてくるまでの間に、腰や下半身がしっかり回転しているならあなたは、ボディターンタイプでしょう。

一方、アイアンスイングのフォロースルーで、クラブヘッドがヒザの高さに達した際、ヘッドのリーディングエッジが垂直より閉じている場合は、リストターンの傾向が強いといえます。

このチェック方法では、現状の自分のスイングがどちらなのか比較的簡単に見極めることができます。

より正確なデータに基づいた自分のスイングの傾向を知りたい人は、GearsやSportboxのような3Dスイング解析システムを利用できるスタジオで、プロから直接アドバイスを受けることをおすすめします。体のあらゆる角度を計測できる最新の技術を活用すると、総合的なゴルフ上達につながるかもしれません。

5.ボディターンとリストターンのバランスが整うドリル【2選】

ゴルフスイングでは、ボディターンとリストターン、どちらか一方に偏るのではなく、両者のバランスが取れていることが理想的です。

たとえボディターンが得意であっても、リストの動きが不十分であれば飛距離は出にくいですし、逆にリストターンに頼りすぎれば方向性に問題が生じます。

ここでは、ボディターンとリストターンを調和させ、スイングの質を向上させるための2つの効果的なドリルをご紹介します。

【1】体と腕の一体感を高めるスプリットハンドドリル

このドリルでは、腕と体の動きがスムーズに連動する感覚を養うことができます。具体的な方法は、左手を通常どおりグリップし、右手はグリップの下の方を握るように、両手の感覚をあけてグリップします。

この握り方でスイングをすると、腕の動きを独立させすぎず、体と連動させる感覚をつかむことができます。

そして、このドリルでは、ハーフスイングでボールを打ちます。特に、フォロースルーで右手のひらが地面ではなく背中側を向くように意識し、手首の過剰な動きを抑えながらスイングしてみましょう。

このドリルの目的は、ボールをうまく打つことではなく、体と腕の一体感を感じることにあります。ボディターンとリストターンのタイミングを自然に合わせることで、より安定したスイングが可能になります。

【2】体のちょうど良い回転がわかるクロスハンドドリル

このドリルは、クラブを使わずに行うため、どこでも簡単に練習ができる点が特徴です。まず、アドレスの姿勢を取り、腕をリラックスさせて地面に垂らします。次に、左右の手首を交差させ、手の甲同士が軽く押し合うような形にします。この体勢から、ゆっくりとスイングの動きを繰り返しおこないます。

このドリルのポイントは、腕が体から離れにくくなるため、自然と体全体を使った回転を意識できることです。腕だけで振ろうとすると体の回転が不足するため、強制的にボディターンを意識させることができます。

特に、腕と体の動きをシンクロさせる感覚をつかむのに効果的です。

6.まとめ

インパクトには、体や腰の回転を主導としてクラブをリリースするボディターンと、腕と手首の動きを主導にするリストターンの2つのアプローチがあります。

ゴルフスイングにもトレンドがあるとはいえ、ボディターンとリストターンのバランスを整えることは、いつの時代もスムーズなスイングで安定したショットを打つための重要な要素です。体と腕の一体感を養えるドリルで、スイング全体の連動性を高めましょう。

自分のスイングスタイルを見つけることができれば、さらにゴルフを楽しめるはずです。

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