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“ツアー開幕前哨戦”を制したプロ1年目の発多ヤマト 大物プロデューサーの助言で改名した思い

1打差で逃げ切り優勝を果たした発多ヤマト(撮影:ALBA)

<岐阜オープンクラシック2023 最終日◇26日◇各務原カントリー倶楽部(岐阜県)◇6917ヤード・パー72>

国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」の前週、石川遼や片岡尚之ら22人のシード選手も顔をそろえたツアー外競技の「岐阜オープンクラシック」が行われた。開幕戦の前哨戦ともいえる今大会を制したのは、2日間トータル10アンダーをマークしたプロ1年目の23歳、発多(はった)ヤマトだった。

初日に「64」の単独首位で滑り出した発多は、最終日もスコアを伸ばしていたが14番ホールで吉田泰基にかわされると、最終18番(パー5)は1打ビハインドで迎えた。ティショットから乱れた吉田はボギーとしたが、発多はピンまでの115ヤードの3打目をピン手前1メートルに乗せる。「入れたら優勝と分かっていたのでしびれました。正直ミスパットでした」という苦笑いのウィニングパットは、フックラインでカップの左から半周して沈んだ。

昨年の日本プロゴルフ協会(PGA)のプロテストに合格したばかりの発多は、複数日程の競技はPGAの新人戦に続いてプロ2戦目。優勝直後のテレビインタビューで「初めまして。犬山カンツリークラブの発多ヤマトです。優勝できて最高です。これからもたくさん優勝したいです」と初々しくあいさつしたのが印象的だった。発多は今季のツアー出場をかけた昨年のQTは3次で敗退し、ツアーの出場権はない。この優勝で7月に行われる「日本プロゴルフ選手権」の出場権を獲得し、レギュラーツアーデビューを決めた。

三重県出身の23歳は、高校時代に「日本ジュニア」で2位タイの成績が最高。名門・東北福祉大に進学し、日本学生14位タイに入ったこともある。大学時代は1学年上に世界アマチュアランキング1位になった金谷拓実がいた。一緒に練習をしたり、試合のキャディを務めた経験もあり、金谷から多くのことを学んだという。しかし、大学卒業時にツアーの出場権をかけた予選会では1次で敗退。「実力的にも、金銭的にもプロの道に進むか迷っていました」という時期もあった。

発多のゴルフの師匠は、メディカルトレーナーであり、プロコーチの摩季れい子氏。大学卒業後は師匠の紹介を受けて京都で茶器などを扱う会社の社員として、アマチュアゴルファーとして腕を磨いた。念願だった「日本アマ」に初めて出場(35位タイ)し、三重県代表として出場したとちぎ国体(成年個人部の)では個人6位に入った。そしてプロテストに合格した。

発多ヤマト。ゴルフファンでも馴染みのない名前だが、本名は八太大和(はった・やまと)。プロとして活動するために表記を変えたのである。そのきっかけは師匠の知人で、B’zやZARDなど数々のヒット曲を生み出してきた日本を代表する音楽プロデューサーの長戸大幸氏の助言だ。「プロとして活躍するにはビジュアルと名前が大切」といわれ、“力のある名前”として今年から発多ヤマトに改名した。「本名より目立ちますし、名前に負けない活躍をしたいです」とさっそく改名効果を発揮した。

将来は世界で活躍する選手を目指す。「WBCやサッカーのW杯とかスポーツが盛り上がっています。ゴルフも盛り上がってその中に入れる存在になりたい」。発多の得意クラブはパター。ドライバーの平均飛距離は280~290ヤードだが、正確性で勝負するタイプ。「引き続きいいところは磨いて、悪いところは克服していきたい」。この優勝をきっかけに発多ヤマトの名前を有名にしていく。

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