33年ぶりのレフティVへ 細野勇策が優勝を引き寄せためのカギは?

細野勇策が33年ぶりの日本人レフティー優勝を目指す(撮影:米山聡明)

<バンテリン東海クラシック 2日目◇27日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71>

日本人レフティ33年ぶりの優勝へ、連日の「66」をマークした細野勇策がトータル10アンダーで単独首位に立った。オールラウンドで弱点のないプレーヤーだが、本人は「得意なものがない」のが悩み。そんななか、得意分野候補となっている好調のパッティングを軸に初優勝を目指す。

初日からティショットに苦しむ細野は、「きのうのラウンド後の練習で修正したかったのですけど、直し切れず、朝の練習からまとまらなかったので、きょうは荒れるのだろうなと思っていたんですけど、そのなかでもスコアを作れたのは良かったです」。この日は11番でボギー先行となったものの、終わってみれば、ボギーはこの1つだけ。続く12番パー5で9メートルのイーグルパットを沈めると、その後は4つのバーディを重ねた。

細野の話を聞いていると度々「得意じゃない」という言葉が出てくる。初日は名物ホールの16番を含め、パー3で2バーディ。また今季はパー3のバーディ率でツアー4位につけているが、「アイアンが得意じゃないので、パー3が得意とは思ったことがないです」。この日は3つのパー5を1イーグル・2バーディと完璧に攻略したが、「パー5は得意というわけじゃないのですけど」と首を傾げた。

そんななか、現在好調なのがパッティング。今季は平均パット1.7136で6位につけているが、思い通りに打てていると感じ始めたのは「フジサンケイクラシック」(3位)からだという。「それまではむしろ悩んでいて、外れたら外れた理由を、入ったら入った理由を明確にするようにしたら、徐々に良くなってきました」。パターやストロークを変えたわけではないが、“読みが浅くて外すことが多い”など、その日の傾向を導き出し、それを修正することで、調子が上がってきたのだという。「得意分野を作りたい」細野にとって、パッティングは現在その第1候補だ。

これまでも何度か優勝争いに名を連ねたが、決勝ラウンドにスコアを伸ばし切れず、タイトルは手にできなかった。「メンタルだと思っていたんですけど、ただ単に自分が不調なのか、その辺りはまだ分からないですね。もっと経験を重ねていってだと思います」。このパターンを崩さなければ、ツアー5勝の“世界のレフティ”羽川豊以来となる日本人レフティの優勝は見えてこない。

「結局のところ、自分の調子が良ければ、スコアは絶対出ると思っているので、まずはそういう状態に持って行って、緊張はするものなので、それを楽しめればいいかなと思います」。このまま逃げ切ることができれば、パッティングも、決勝ラウンドも、三好CCも、みんな得意になるはずだ。(文・田中宏治)

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