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女子アマ日本一は古江彩佳の後輩 17歳・鳥居さくらが心強い味方とつかんだトロフィー「まだ優勝した感覚がない」

女子アマ日本一に輝いた鳥居さくら(左)とキャディを務めた鈴木姫琉(撮影:福田文平)

<日本女子アマチュアゴルフ選手権 最終日◇14日◇我孫子ゴルフ倶楽部(千葉県)◇6679ヤード・パー72> 

2打差を追ってスタートした鳥居さくらが「69」で回り、逆転で大会初優勝を飾った。高校の先輩・古江彩佳に憧れる滝川第二高(兵庫)の3年生。7月24日からプロテスト1次予選に臨む予定だったが、この優勝で1次、2次をスキップして、いきなり最終プロテストからの受験が可能になった。

「まだ全然優勝した感覚がないんですけど、朝イチのティショットの時に見たトロフィーを持てて嬉しいです」。新たな女王は初々しい感想を漏らした。首位から出た山本優花が序盤から崩れ、早々に首位に立つ展開。「人のプレーは意識しないように回っていたんですけど、16番で差が広がって、そこで少し安心しました」。16番は鳥居もボギーとするなど、最終組の全員がスコアを落とし、この時点でリードが5打に広がった。

「終わり良ければすべて良しです」と前半ラストの9番、最終18番をバーディーで締めた。9番では7メートルを沈めてバンザイ。「まさか入るとは思わなかったのでどうリアクションしていいのか分からなかったんですよ(笑)」。最後は4メートルを沈めて、力強く右拳を握った。

今大会には心強い味方がいた。キャディを務めた麗澤高校(千葉)3年の鈴木姫琉(ひめる)だ。小学6年生の頃に会場の我孫子GCが主催する小学生大会で優勝。それ以来“我孫子ジュニア”として、日本を代表する名門コースで練習し放題となっている。「私も本当は出たかったんですけどね」(鈴木)。今大会2年ぶりの出場を逃すと、仲良しの鳥居のサポートに回り、コースの知識を生かした。例えば、5番パー4は「グリーンの傾斜を使って寄せていこう」と話し合っていたホール。狙い通り2日目から3日続けてバーディを奪った。

昨年の「日本ジュニア」(15~17歳女子の部)での3位など、大舞台では勝てそうで勝てない試合が続いていたが、アマ最高峰の舞台でついに優勝。「昨年からプロの試合に出させていただいて、独特の緊張感やギャラリーの雰囲気を感じて、プレッシャーの中でプレーしたことが優勝に繋がったと思います」。これまでレギュラーツアー2試合、ステップ・アップ・ツアー1試合に出場。優勝争いの中でも、緊張に押しつぶされることなく楽しんでプレーできたのは、この経験があったからこそだ。

最終プロテスト行きの特急券とともに、今年の「日本女子オープン」の出場権も獲得。喜んだのも束の間、日本ゴルフ協会(JGA)関係者から「スタートホールで『日本女子アマのチャンピオン』って紹介されるよ」と声を掛けられると「なんか嫌~。背負ってるものがデカ過ぎる」と苦笑いを浮かべた。

2030年には我孫子GCで「日本女子オープン」が開催される。「プロとして戻ってこられるように頑張らないといけないですね」。今回はキャディだった鈴木も今年のプロテストを受験予定。6年後の2人が今から楽しみだ。(文・田中宏治)

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