山本優花は『79』で涙のV逸　大舞台の重圧が糧「プロテストにつながる」

＜日本女子アマチュアゴルフ選手権　最終日◇14日◇我孫子ゴルフ倶楽部（千葉県）◇6679ヤード・パー72＞

2日目から快調に首位を走ってきた19歳の山本優花は「79」と大きく崩れ、トータル6アンダーの4位タイに終わった。1番から3連続ボギーを叩き、早々に首位の座を明け渡す苦しい展開。これまでに経験がない大舞台での優勝争いで力を発揮できず、ラウンド後は悔し涙がこぼれた。

3日目までとは別人だった。体がこわばって思うようなスイングができない。「体が動かずにショットが左に行ってしまって。きのうまでグリーンに乗っていたショットが乗らないし、寄っていたショットも寄らないし、パットも入りませんでした」。

キャディを務めた姉と笑顔で言葉を交わす場面も数多く見られたが、それも3日目までとは違う。「緊張を出してしまうと周りにも伝わって、そこでも差が縮まってしまうと思ったので、楽しくプレーすることを心掛けました」。心からの笑顔ではなかった。

3連続ボギー直後の4番で初バーディ。その後は思い通りのプレーができない中でも、なんとかスコアを維持した。しかし、上がり4ホールは耐えきれずに5オーバー。力尽きるようにスコアを落とした。

悔しい結果となったが、プレッシャーの中でプレーできたことは3度目となるプロテストに向けて貴重な経験。「大きな大会で、このような位置で最終日を迎えることができたのは良かったと思います。緊張した時に自分がどうなるのか、どんなミスが出るか。それを知ることができたのはプロテストに繋がると思います」。

一昨年は1次で脱落したものの、昨年は最終プロテストに進出した。この経験がプロ入りに足りなかった5打を埋めるためのヒントになるはずだ。（文・田中宏治）