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アライメントスティックの賢い使い方! 自分に合った練習でスコアアップを目指そう

1.ゴルフのアライメントの役割

ゴルフでは、狙った地点に正確にボールを運ぶ技術が求められます。そのためにはまず、狙った方向に正しく構えていることが前提で、これがゴルフにおける「アライメント」の役割です。また、「正しくアライメントが取れている」状態は、アドレス時に「飛球線(打ち出す方向)に対してクラブは垂直、体は平行」に構えられていることをいいます。

このアライメントが最初から狂っていると、「ナイスショットをしたのに思わぬ方向にボールが飛んでいってしまった」などのミスを誘発します。 しかし、実際は構えた通りの方向に打ったにすぎません。 

実際のラウンドで、アライメントが正しく取れているかどうかは自分ではなかなか確認しづらいものですが、日頃の練習で身につけることはできます。アライメントスティックは、その練習を効率よくサポートする練習器具なのです。

アライメントスティックは幅広いゴルフ練習に応用可能

アライメントスティックは、工夫次第で「アライメント」以外のさまざまなゴルフ練習にも応用ができます。

時折、代用品として挙げられる園芸支柱などでも構いませんが、しなりがないため、例えばインパクト強化の練習には向きません。また、クラブやシャフトでも方向性は示せますが、クラブが当たるかもしれない位置には置きにくく、スイングプレーンの確認には向かないかもしれません。

飛球線や軌道のガイドを示すだけなら、練習場のマットの切れ目を利用する方法もあるのですが、飛球線に対して平行ではない場合があります。時間を有効に使いたい練習場では、最初からアライメントスティックを置いたほうが時短になるでしょう。

アライメントスティックなら、1本ないし2本だけで幅広いゴルフ練習に応用が可能、というわけです。以下、アライメントスティックを使ったさまざまなゴルフ練習を紹介していきます。

2.アライメントスティックを使った練習法

ここからは、アライメントスティックを使って、基本となる正しいアドレスを確認する方法から、飛距離アップに効果的な活用法まで、幅広く紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。

アドレスやスイング軌道の基礎固め

【1】ボールを基準にターゲットラインに対して垂直に置く
一番オーソドックスなアドレスを確認するための使い方です。まず、アライメントスティック1本をボール手前にターゲットラインと平行に置きます。次に2本目を、ボール位置に合わせて1本目に対して垂直(十字)になるように置きます。

1本目のラインに対して、両足(ツマ先)が平行に構えられているか、また、2本目の垂直なラインに対して、ドライバーのときは左足カカトの延長線上に、アイアンでは両足の中央に合わせられているかなど、ボール位置とスタンスの向きを確認することができます。

【2】ターゲットラインに対して平行に置く
アライメントスティックを1本使って、スイング軌道をチェックする方法です。ターゲットラインと平行になるようにボールの手前にセットします。このラインは、テークバックでインサイドに上げすぎないための目安になるもの。クラブヘッドがアライメントスティックより手前(内側)に来ないように注意しながらスイングしてください。

逆に、アライメントスティックをボールの奥に平行に置くことで、テークバックでアウトサイドに上げたり、ダウンスイングでアウトサイドに下ろしたりする癖を矯正できます。

【3】ボールを挟むように八の字に置く
ドローボールやスライスの矯正に効果的なインサイド・アウト軌道を覚えるための方法です。まず、アライメントスティック1本をターゲットラインに対して平行になるように、ボールの手前にセットします。次にもう1本を、ターゲットより右を向くように斜めにしてボールの奥にセットします。2本が「ハ」の字になるようにセットできたら、斜めに置いたラインを意識してスイングしてみてください。クラブヘッドが体の近くを通り奥に抜けていくインサイド・アウト軌道を体感できます。

2本目のスティックの向きをターゲットより左を指すように斜めに置くと、フェードボールを打つ際に有効なアウトサイド・イン軌道の練習ができます。

【4】アライメントスティックを両ワキに挟む
パターのストロークを安定させる方法です。アライメントスティック1本をボールの手前にターゲットラインと平行にセットし、もう1本を両ワキに挟みます。それから、ターゲットラインに沿ってワキに挟んだスティックを落とさないようにパッティングを繰り返します。これにより、ワキを締めながらクラブを真っすぐ引き、肩の動きでボールを打つ感覚が身につきます。

菅沼菜々プロのアライメントスティック練習法

菅沼菜々プロはALBA TVのレッスン番組で、アライメントスティックを使って、インからのスイング軌道を矯正し、オンプレーンでスイングする練習法。そして、アマチュアに多いアウトサイド・インでスライスを打つ人のスイング軌道を矯正する効果的な練習法を紹介しています。

菅沼菜々プロが実践する練習方法を、動画でご覧になりたい人はぜひチェックしてください。◆菅沼菜々presents 7つの練習法 アライメントスティックで軌道修正

振るだけで飛距離アップに効果あり

【5】全力で速く振る
ヘッドスピードを上げる効果がある練習方法です。スティックを1本用意して、それを全力で何度も速く振りましょう。ビュンビュンと風を切るように目一杯振ってください。速く振る感覚を体に覚えさせることで、実際のスイングにキレが生まれ、ヘッドスピードを向上させることができます。

【6】インパクトでピタッと止める
ヘッドが走る感覚をつかめる練習方法です。アライメントスティックを持ち、通常のスイングの要領でテークバックします。トップを作ったらダウンスイングに移行しますが、インパクトの瞬間、ピタッとスイングを止めてください。シャフトにはダウンスイングの途中から先端が飛球線方向に湾曲する「しなり戻り」という特性があり、インパクト時にヘッドが走ることでボールを大きく飛ばすことができます。アライメントスティックのような柔らかい素材のものを使うと、このしなり戻りの感覚がつかみやすくなります。

スイングをセルフチェックしてミスを減らす

【7】ベルトループに通してスイング
下半身リードの感覚がつかめる方法です。ズボンの前にあるベルトループ2個にアライメントスティックを通して、普段通りにスイングします。その際、バックスイングで肩が90度回るのに対し、腰は45度回す意識をしてみてください。アライメントスティックの角度を確認するとわかりやすいと思います。上下の捻転差を意識しつつ、その差を維持しながらインパクトを迎えることで、下半身リードの感覚をつかむことができます。

【8】クラブと一緒に握る
ハンドファーストを保ちながら、体の回転で打つ感覚がつかめる方法で、2024年の男子ツアー開幕戦、「東建ホームメイトカップ」に優勝した金谷拓実プロも実践していました。

金谷プロといえば、グリーン周りからギュギュッとスピンをかけて寄せるアプローチが印象的。「低く打ち出してスピンの効いた球を打つには、ハンドファーストに打つ必要があります」と話す金谷プロは、アライメントスティックを使った練習で、ハンドファーストの確認をしているといいます。その練習方法は、スティックをサンドウェッジと一緒に握り、クラブの長さを延長して打つというもの。「ハンドファーストの形がほどけると体にスティックが当たって打てない。当たらないように体の回転を使うと、ハンドファーストに打てるんです」と語っています。

金谷拓実プロが実践する練習方法を、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。◆金谷拓実が教える憧れのスピンアプローチ練習法 「スティックを延長線にして体の回転で打つ」

【9】ヘッドの幅に置いて当たらないように打つ
マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーで戦う山本彩乃さんは、再現性の高いインパクトを作るため、アライメントスティックを使ったドリルに取り組んでいます。

それは、ヘッドの幅に合わせて2本のアライメントスティックを置き、スティックに当たらないようにボールを打つというもの。「手先でヘッドの動きを作ろうとすると、カット打ちやあおり打ちになりやすい。すると、高い確率でヘッドがスティックに当たります。再現性の高いインパクトをするためには、手首を使わず体の回転でヘッドを動かすのがポイントです」と語っています。

山本彩乃さん直伝のドリルを、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。◆これができればアイアンは真っすぐ飛ぶ! ネクストヒロイン山本彩乃と向井七海がポイント解説

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