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“ミスター・ポーカーフェイス” 平田憲聖がツアー3勝目 「意味があるうれしい1勝」

冷静沈着な平田憲聖(右)が危なげなくカップを掲げた(撮影:藤井孝太郎)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 最終日◇14日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7096ヤード・パー71>

2打差の首位から出た平田憲聖が5バーディ・2ボギーの「68」でプレー。トータル19アンダーまでスコアを伸ばし、今季初優勝を挙げた。

「今年は本当に早く勝ちたいって思っていて、悔しい思いもたくさんした。この優勝はすごく意味があるうれしい1勝になりました」。北海道では昨年7月に恵庭CCで行われた「日本プロ選手権」以来の2勝目。「北海道は大好きです!」と優勝インタビューでは声を弾ませた。

最終日は、同学年の蝉川泰果、2つ年下の細野勇策とプレー。特に同じ関西出身でジュニアの頃から競い合っていた蝉川は意識する存在だった。「スタート前から脅威になるなと思っていました。彼は爆発力があって絶対に伸ばしてくると思っていたので、僕も伸ばさないと優勝できない」。平田と蝉川はともに前半3アンダーでサンデーバックナインに突入した。

その後、蝉川は10番で初ボギーを叩くと、体調不良の影響もあってスコアを伸ばすことができず、優勝争いから脱落。平田も12番で3パットのボギーで一時は後続に1打差まで迫られた。だが、続く13番パー5では3番ウッドで2オンに成功。このホールをバーディとして、落ち着きを取り戻した。「ここでバーディを獲れたのは、大きな意味があった」。その後はパープレーを続け、ホールアウト後は仲間たちから“歓喜のウォーターシャワー”を浴びた。

これでツアー3勝目を挙げた23歳だが、プレー中は一切感情を表に出さない“ミスター・ポーカーフェイス”だ。「良くても悪くてもメンタルの浮き沈みをなくして、ボギーを打ってもどこかでチャンスを待ちながらプレーをしている。バーディを獲った次のホールが大事。18ホールが終わってから自分を評価するようにしています」。試合中はどんな状況でも冷静を保ち続けている。

これまでの3勝を共に勝ち取ってきた相棒・桑島たいきキャディも、昨年より最も成長を感じるのは精神面だと話す。「一切焦らないですね。痺れるパーパットでも表情を出さずに落ち着いてやってるところが、去年より落ち着いてプレーをしているなと思いました」。

同学年には中島啓太や蝉川などがいて、海外志向が強いライバルたちがしのぎを削っている。平田自身もメキシコやハワイでの米ツアーに参戦し、海外でプレーをしたい気持ちはより強くなった。「チャンスがあれば予選会にもチャレンジしたいです。でも、今すぐ焦って追いつきたいということはない。自分なりに、自分がなりたいようになりたい。勝ちを積み重ねていくことが今年の目標です」。クールに語る23歳は、あくまでもマイペースを崩さない。(文・神吉孝昌)

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