
<伊藤園レディス 初日◇14日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6769ヤード・パー72>
「まじで最悪…。入ったと思った…」
今季1勝の菅沼菜々が12番パー3(161ヤード)で“珍事”に見舞われた。7番アイアンで放ったティショットは、ピンに一直線。ボールはそのままカップへ飛び込み、ギャラリーからも「入った!」という声が上がった。菅沼もホールインワンを確信し、両手を上げて飛び跳ねた。
ところが、「レーザー(距離計測器)で見たら少し白いのが見えて…。(ボールがカップに)落ちないから『もしかしたら食い込んでいる?』となって…」。グリーンに行くと、その予想が的中。ボールはカップ際の芝に深くめり込んでいた。
競技委員が確認した結果、これはグリーンオンと判断。ボールをリプレースしてタップインバーディとなり、わずか数センチの差で“幻のエース”に終わった。
「50万円だったのに…」と、ホールインワンの特別賞金も逃して苦笑い。それでも「しょうがない、バーディだからいい」とすぐに気持ちを切り替えてほほ笑んだ。
今季はQTランキング102位からのスタートだったが、5月の「パナソニックオープンレディース」でツアー通算3勝目を挙げてシード復活。だが、9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ」以降は7試合で予選落ち4回(棄権1回)と苦しい戦いが続いていた。
そんな中、先週の「TOTOジャパンクラシック」からショットが復調。「自分の中でスイングスピードをかなり遅くして打っているんですけど、それがすごくハマっています」。知らぬ間に速くなっていたテイクバックからインパクトまでのリズムが「2秒ぐらいの意識で1.8秒になった」と整えて、安定感が戻ってきたという。
この日は12番以外でもチャンスを量産したが、「グリーンの読み違い」でパットに苦しんだ。17番では池に入れて痛恨のダブルボギー。それでも、ショットが完全に上向いている今、不安はない。あすこそは絶好調のショットで“ボーナス”をつかみ取りたい。(文・高木彩音)
Follow @ssn_supersports



