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稲見萌寧が大混戦を制し今季初勝利 優勝インタビューでは涙を見せ「苦しい時期が多かった」

稲見萌寧は涙の勝利(撮影:鈴木祥)

<TOTOジャパンクラシック 最終日◇5日◇太平洋クラブ 美野里コース(茨城県)◇6598ヤード・パー72>
 
日本で唯一開催される米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」の最終日は、首位タイでスタートした畑岡奈紗と桑木志帆がなかなか伸ばせず、後続の選手がスコアを伸ばしたことで大混戦となった。そんな中、トップと1打差のトータル19アンダー・3位タイから出た稲見萌寧が17番パー5のバーディで1つ抜け出し、トータル22アンダーで今季初勝利を挙げた。

最終組は畑岡、桑木、稲見の3人。11番を終えて桑木がトータル21アンダーで単独首位に立っていたが、12番パー5でボギー。ここで稲見が2オン2パットのバーディとしたことで、単独首位に立った。しかし、15番パー4では稲見がボギー、桑木が2メートルのパーパットをしぶとく沈めて、ペ・ソンウ(韓国)を加えた3人がトータル21アンダーで並んだ。
 
16番パー3では桑木がアプローチを寄せきれずにボギーとして1つ後退。ソンウは先にトータル21アンダーでホールアウトして、クラブハウスリーダーに立った。そして迎えた17番パー5、桑木がグリーン奥のラフに外したのに対し、稲見は再び2オンに成功。桑木は寄せワンでバーディとしてトータル21アンダー、稲見は難なく2パットでバーディを奪い、トータル22アンダーで1つ抜け出した。
 
「バーディを狙っていきたいと思っていた」。最終18番パー4ではティショットでフェアウェイ真ん中に運ぶと、池越えのセカンドショットはピンに向かって一直線に飛んでいき、ピン手前2.5メートルにつけるナイスショット。大会4日間で1イーグル・22バーディを量産したショット力を象徴する一打となった。桑木の18番での長いバーディパットを外れ、稲見は2パットでも優勝という状況に。このバーディパットはわずかに左に外れて苦笑い。次のパーパットをしっかり沈めて両手を突き上げた。
 
今季序盤はスイング改造が上手くいかず、自身初の3試合連続予選落ちも経験した。優勝インタビューでは涙を流しながら「今年は苦しい時期のほうが多かったので、ここで優勝できてよかった。今年のオフからスイング改造を4回ほどやりまして、前半は予選落ちもけっこう多かったですし、なかなか優勝争いにもいけなかった。チャンスが来て、ものにできてよかったと思います」と喜びを語った。
 
稲見は2022年8月の「ニトリレディス」以来となるツアー通算13勝目、米ツアー初勝利。これで19年の初優勝から続けていたツアー優勝を5年連続に伸ばした。18年からはパターはクロスハンドグリップで握っていたが、順手に変えて初めての勝利となった。今大会の優勝で来季の米ツアー出場権をつかんだが、これについては「新しい未来が開いたという感じ。もう少しじっくり考えてチームのみんなと相談して決めたいと思います」と、結論は出さなかった。

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