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ゴルフを料理に例えたら、“さらに美味しくするスパイス”がハンディキャップの役割

ハンデがなくてもゴルフを楽しめる間柄の友人はいる?

ハンディキャップは、実力差がある相手ともゴルフを楽しめるように生まれました。実力差に応じて、優位なサイドに合うように、数的な調整をするのです。コンペでは、パープレーに対して、自分の平均スコアの八掛けぐらいを差し引いた数字を使う申告ハンディという方式や、隠しホールを採用して大叩きなどで小細工ができないようにしたペリア方式、対象のホール数を増やして精度を高めた新ペリア方式(ダブルペリア方式)という算出したハンディを使う方法も広く採用されています。他にも色々なハンディ算出計算方式があります。

個人の腕前を証明する意味では、日本ゴルフ協会が公認してくれるハンディキャップシステムもあります。提出するスコアカードの数も多く、手続きもちょっと面倒ですが、「公式ハンディ」と呼ばれます。これが、一桁の数字になると「シングル」という称号のような肩書きになるので目標になります。

更に、5未満になると「片手」とか、「5下(ごした)」という呼び方もあり、少し大げさかもしれませんが、神様のように崇められたりもします。その他にも、使用するティを変えることでハンディとすることもありますし、面白い方法として使用クラブの本数を制限をする方法もあります。どれも、みんなでゴルフを楽しむための先人たちの知恵が伝えられたものです。

そもそも、ハンディキャップは、対戦相手との取り決めで成立するものでしたが、現在でも、仲間内なら互いのハンディを決めて、納得した上で勝負するのがセオリーです。

一緒にゴルフを始めたライバルとは、ハンディなしで勝負する面白さがあります。
ハンディなしのことを「スクラッチ」と呼びます。「ハンディ0」の意味でもあり、称号でもあります。ゴルフをやめるまで、ハンディなしで対戦しようとライバルと誓い合うことが「永久スクラッチ」。僕も生涯で何人かと永久スクラッチの誓いを立てましたが、過半数は、すでに鬼籍に入り、これが原因でゴルフをやめてしまった負けず嫌いの頑固者もいます。

ゴルフは料理のようなものだと、考えることがあります。ハンディキャップは、調味料とか、スパイスの一種なのです。適量ならゴルフはより美味しくなりますが、使いすぎれば、台無しになってしまう。

つまり、ハンディとは使いよう。経験を積むことで、自分に合った絶妙な調合にたどり着くかもしれませんし、ハンディなしの素材勝負という境地に行き着くかもしれません。ハンディでゴルフを美味しくして、楽しみましょう。

(取材/文・篠原嗣典)

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