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「やっと優勝争いができた」 佐々木理乃はプレーオフ敗退の悔しさをプロテスト2次予選で生かす

プレーオフ4ホール目、18番グリーン上のシーン(撮影:福田文平)

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇第10戦 マイナビカップ◇19日 本戦(一日競技)◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6398ヤード・パー72>

日が沈み、薄暗くなった18番のグリーン上でパターを両手にしゃがみ込む佐々木理乃。マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第10戦「マイナビカップ」は荒武飛名が佐々木との4ホールにおよぶプレーオフを制し初優勝を遂げて幕を閉じた。佐々木はバーディパットを外した悔しさに溢れる表情でボールをマークし、荒武のウィニングパットを見守った。

4アンダー・2位タイで迎えた1度目の18番パー5。3打目をピン奥1.5メートルの位置に寄せ、バーディパットを沈めた佐々木。単独首位の荒武をとらえ、クラブハウスリーダーとして待機した。2組後ろでプレーする荒武だったが、スコアを伸ばせず、プレーオフで決着をつけることとなった。

佐々木はプレーオフが決まったときの心境を「そもそも首位に追いついていたことにびっくりしていましたが、最終ホールをバーディで終えていたので、気持ちの勢いはあったと思います。緊張はしていましたが、久しぶりに優勝争いに絡めたので、緊張も含めてワクワクしていました」と教えてくれた。

「もちろん勝ちたい気持ちが強かったです。ただ、それに振り回されすぎないよう、淡々とやろうと思っていました。大きいミスを避けて、バーディパットが打てる状況を作ったらあとは運次第かなと思うようにしていました」と「勝ちたい」という欲を抑え、冷静さを保つようにしていたという佐々木。1ホール目、2ホール目は互いにパー。3ホール目、佐々木にチャンスが訪れた。

この日4度目の18番。これまでの3回と同じようにセカンドショットをフェアウェイに置き、3打目をピン手前2メートルの位置に乗せバーディチャンス。上りのスライスライン。荒武はバーディパットを外しており、これを入れれば初優勝というウィニングパットだった。しかし、佐々木が打ったボールは惜しくもカップ右に一筋外れてしまう。プレーオフ4ホール目も悪くはなかったが、やや距離の残るバーディパットを外し、荒武のウィニングパットを見届けることとなった。

「すっごく悔しかったですが、久しぶりにいい悔しさを味わいました。今までは箸にも棒にも引っかからない悔しさだったので」と何度も「悔しい」という言葉を繰り返す佐々木。一方で「やっと優勝争いができて、いい刺激になりました!」と同ツアーに昨年の開幕戦から出場しながらも、初めてとなった優勝争いに興奮を隠せない様子だった。

惜しくも初優勝を逃した佐々木だが、今大会で得たことは大きい。「プロアマ含め、この2日間は自分でも納得のいくプレーができていました。もったいなかったところ、改善点は沢山ありましたが、その中でも2日間ともアンダーでまとめてこれた」と、開催前日のプロアマでも5アンダーの「67」をマークし、2日間トータル10アンダーで回れたことに、手応えと自信をつかんだ。

「プレーオフを4ホール続けられたところは、きっとこの先のプロテストに生きてくると思いました。このツアーはそういった経験を積める場所だと思っているので、年間を通してこのツアーを開催、運営してくださっている沢山の方々に感謝したいです」。

佐々木はJLPGAプロテスト2次予選を10月に控えている。「去年同じコースで2次で落ちてるっていうのがあります。けど、新しい気持ちでテスト受けられるなって今は思えているので、それを大事に」と気持ちの準備は整い始めている。「プロテストでこの悔しさを生かしてきます!」と明るく笑顔で会場をあとにした。(文・高木彩音)

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