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パリ五輪はPGAツアーに軍配 ラームらLIVゴルファーが表彰台へ登れず

ジョン・ラームがメダル目前で大失速。LIV勢は表彰台に立てなかった(撮影:GettyImages)

<パリ五輪 最終日◇4日◇ル・ゴルフナショナル(フランス)◇7174ヤード・パー71>

並みいる強敵を押しのけて金メダルに輝いたのは、最終日に「62」の猛チャージでリーダーボードを駆け上がったスコッティ・シェフラー(米国)だった。“ネクストタイガー”と目される絶好調男が、世界1位の名に恥じないゴルフで五輪の歴史に名を刻んだ。

銀メダルは英国代表のトミー・フリートウッド、銅メダルは日本の松山英樹が獲得したが、3人はいずれも米PGAツアーを主戦場とする選手。いまや米ツアーに引けを取らない“一大勢力”となったLIVゴルフの面々は、表彰台に登ることはなかった。

とりわけ衝撃的だったのは、優勝候補のひとりだったジョン・ラーム(スペイン)の大失速だ。前半で「31」をマークし、一時は2位に4打差をつける独走態勢に入った。だが、後半11番から2連続ボギーを喫すると、14番パー5ではショートゲームのトラブルで痛恨のダブルボギーを叩いた。

この時点ではメダル圏内にいたが、17番からまたもや連続ボギー。まさかの急ブレーキで5位タイに終わり、母国にメダルをもたらすことはできなかった。

ラームは昨年12月にLIVゴルフへ電撃移籍。契約金は700億円以上と言われており、今年5月に発表されたスポーツ長者番付では、サッカーの英雄クリスティアーノ・ロナウドに次ぐ2位に入った。7月にイングランドで行われたLIVゴルフ第11戦で初優勝も飾っており、名実ともにLIVのエース格と言っていい。

そんなラームがメダルを目前にして崩れ去った。もちろん、愛国心ゆえのプレッシャーも大いにあったはずだが、さらにLIV代表としての重圧ものしかかったか。ゴルフがメンタルスポーツと言われる理由がよく分かる、タフなバックナインだった。

東京五輪でメダル争いを演じたホアキン・ニーマン(チリ)は最終日に「66」と奮闘したが、トータル12アンダー・9位タイ。東京五輪にも出場したミト・ペレイラ(チリ)、エイブラハム・アンサー、カルロス・オルティス(ともにメキシコ)ら南米の雄は上位に入れなかった。

LIVゴルフは2022年にスタートしたため、五輪に選手を送り出すのは初めてのこと。だが、精鋭7人はメダルをLIVに持ち帰ることはできなかった。海外メジャーではたびたび“PGA vs LIV”の構図が話題となるが、今回のビッグイベントでは米ツアーに軍配が上がった。

【LIVゴルファーの最終成績】
5位:ジョン・ラーム(-15)
9位:ホアキン・ニーマン(-12)
26位:カルロス・オルティス(-5)
35位:エイブラハム・アンサー(-2)
40位:ダビド・プイグ(-1)
45位:ミト・ペレイラ(+1)
49位:アドリアン・メロンク(+3)

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