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石川遼から見た松山英樹の凄み「体の状態が良くない中で結果を出している」

全米オープンの会場で、一緒に練習ラウンドを行った松山英樹と石川遼(撮影:Yasuhiro JJ Tanabe)

<全米オープン 事前情報◇14日◇ザ・ロサンゼルスCC ノースC(米カリフォルニア州)◇7421ヤード・パー70>
 
石川遼と松山英樹は同い年で、中学生の試合で出会い、お互いに刺激を受けながら成長してきた。石川遼のプロツアーでのアマチュア優勝は2007年の高校1年生の時で、まだ15歳だった。それから4年後の11年には松山がアマチュア優勝を成し遂げている。

そして、石川は18歳だった09年に史上最年少で国内男子ツアーの賞金王に輝くと、13年から米ツアーに挑戦し、18年に日本を主戦場とするまで約5年間戦った。それに対し、松山は13年のルーキーイヤーに国内で賞金王を獲得し、14年からは米ツアーをメインとしてここまで戦い、21年にはアジア人として初めて「マスターズ」を制覇している。今週の全米オープンの練習日には、久しぶりに二人が練習ラウンドをともにした。
 
首痛と付き合いながら世界最高峰の米ツアーで好成績を残し続ける松山の姿は、石川の目にどう映ったのか。「いまの英樹にとってコンディションが整ってくることが一番の望みだと思うんですけど、やっぱりまだ本人はすごく満足している感じではないのかな」と見ている。
 
そんななかでも松山は、今年3月の第5のメジャー、「ザ・プレーヤーズ選手権」では5位に入り、4月のマスターズでは16位タイ、5月の「全米プロ」では29位タイと、万全ではないなかで奮闘している。「日本から見ていてトップ10にいるし、すごい。多分、僕らではわからない感覚のなかで、体の状態が良くないなかでも結果を出しているんだろうなっていうのも改めてわかりました」と石川は話す。
 
最大の武器であるショットが思い通りに打てなくても、パットが決まらなくても、自分のいまのコンディションのなかで最善を尽くして、いつのまにか上位にいる。今季は優勝争いこそ少ないが、松山の凄みはそこにある。
 
本調子じゃなくてもベース自体は変わってないからこそのパフォーマンスの高さだと思うんです。だから、バチバチに決まり出している英樹をこれから先また見られると思うので、すごく楽しみにしています」。体が万全でショットとパットが噛み合ったら、いったいどんなスコアが出るのか。それは石川だけでなく、すべてのゴルフファンが期待しているところだろう。
 
きょうの練習ラウンドでは雑談だけでなく、技術的な意見を交わす場面もあった。「2人の持ち球や球の高さが違いますし、そこはどれくらい話したかな。打ち方とかは聞かなかったかな。僕はクラブにあんまり興味がないので。英樹が何を使ってるかはあんまり見なかったんですけど」とそこまで深い話しはしていない様子。それでも松山は石川のクラブに興味を持ったようで、「そうそう。相変わらずという感じですね」と石川は笑う。出会ってから15年以上経っても、そこには二人だけの空気が間違いなくあった。

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