「何度も出たいと思える場所」 38ホール決戦制した三ヶ島かなは“痛みに耐えて”2度目の米国へ【全米女子OP行きを決めた5人の声】
<全米女子オープンゴルフ選手権最終予選◇29日◇房総カントリークラブ房総ゴルフ場・東/西コース>
海外メジャー「全米女子オープン」(7月6日開幕、米カリフォルニア州)の出場権をかけた戦いは、残り2つになった枠を、トータル6アンダーでならんだ脇元華、三ヶ島かな、アマチュアの小宮千鶴(南山学園聖霊高3年)が争うプレーオフまでもつれ込んだ。
日没が迫り、雨で空がかなり暗くなり始めていたなか、1ホール目でバーディを奪った脇元が“イチ抜け”で出場権を獲得。「アメリカへ行ける~とルンルンで帰ってきました(笑)」と暗がりのなか笑顔を輝かせてクラブハウスへ戻ってきた。「いつか挑戦してみたいと小さい頃から思っていたので、ひとつ夢が叶いました。楽しみながら、いい成績で終わります!」と意気込み、初めてのアメリカ戦へ胸を高鳴らせる。
そして2ホール目でパーセーブした三ヶ島が、続けて出場権をゲット。「最後のパーパットは、正直見えていなかった。神頼みではないけど、自分を信じて打って、入ってよかったです」。38ホールに及んだ長丁場に決着をつけた。
3月に左ヒザ外側のじん帯を切り、3週間の療養期間を設けたものの、まだ完治していない状態。テーピングを巻きながら、試合へ出場を続けている。そんななか、前日まで「リゾートトラストレディス」で4日間を戦い、そしてこの日の36ホールと2ホールの延長戦。「いま正直、痛くてしんどいです(笑)」と、いまの三ヶ島にとってはかなりタフな1週間で、まさに満身創痍だった。
正規の最終ホールでは、5メートルほどのバーディパットがわずかにカップを外れた。「決めていればこんなにつらい思いをしなくてよかったのにと悔やみながら…」とサドンデスへ。自身3度目、プロとしては初めてというプレーオフは「勝ち取ってやる、仕留めてやるくらいの気持ちでいきました」と自分自身を奮い立たせ、そして制した。「この予選会も出るか迷ったけど、出て本当に良かった」とよろこびもひとしおだ。
海外メジャーは、コロナ禍で出場権が降りてきた2020年の全米女子オープン以来のこと。「何度も出たいと思える場所なので、また出られることがうれしい」と、大舞台への想いを馳せる。「あのときはギャラリーさんがいなかったんです。お祭りみたいな感じと聞いているので、それを味わえたらと思います」。最後は疲労感を感じさせないような満開の笑顔を見せて、コースを後にした。まずは体を休めて、大一番へと準備を進めていく。(文・笠井あかり)
以下、その他予選会通過選手のコメント
■岩井明愛(トータル10アンダー・1位)
「(双子の妹の)千怜と一緒に出られるのでうれしいです。(2月の米国女子ツアー)ホンダLPGAタイランドに出て、さらに海外へ挑戦したい気持ちが強くなっていたので、こうやってチャレンジできるのはすごくうれしい。やっぱり出るからには、上位を目指して頑張りたい」
■佐藤心結(トータル8アンダー・2位)
「海外で初めてプレーするところがペブルビーチという素晴らしいコース。そこで自分がプレーできる実感はないけど、最高峰の舞台で、持ち味である飛距離を生かして楽しみたいです。(先週4日間大会を2位で終えての予選会)睡眠時間は3時間半でした。強行日程のなかこのスコアで回れたのは上出来。100点をあげたいです」
■木下彩(トータル7アンダー・3位)
「ただただ興味本位で、キャディさんもすごく行きたそうだったので、『じゃあ(出よう)』って。信じられないです。賞金が上がった(総額1000万ドル、約14億円)と聞いた。いままでにない額じゃないですか。試合で頑張って、もうお金ですね、お金欲しい(笑)。海外メジャーは渋野(日向子)のイメージしかないですね」
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