
神谷そらが驚異の『61』で74位→2位に急浮上「不思議な感じ」
<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 2日目◇12日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6702ヤード・パー72>
今季ツアーデビューのルーキーながら4月の「フジサンケイレディス」で初優勝を遂げた20歳・神谷そらが、トーナメントコースレコードを更新する「61」をマーク。74位タイからトータル10アンダー・2位タイにジャンプアップした。
ホールアウト後に感想を聞かれた神谷は、「『61』は不思議な感じです。プレーしているときは何も感じていなかったけど、終わってみたらすごいスコアだなって思いました」。2イーグル・7バーディを奪った会心のプレーを振り返り、笑顔を見せた。
「きのうはパターで苦しみました。タッチが合わず、ショットを寄せなくちゃと思い、勇気を出して打てていませんでした。きょうはタッチを合わせることだけ意識していたのが、良かったのだと思います」と話したように、タッチに集中したことでパッティングの距離感が良くなり、ショットも勇気を持って打てるようになった。
パッティングが悪ければ、ショットで寄せなくちゃいけないとプレッシャーがかかる。プレッシャーが体を硬化させ、ミスを呼び込む。だが、神谷はパッティングのタッチに集中することで負の連鎖を断ち切り、ショットとパッティングをかみ合わせたのだ。
開催コースの軽井沢72ゴルフ北コースは、空気が低い標高1000メートルに位置している。それにより飛距離がアイアンで5~10ヤード伸びると言われているが、飛ばし屋の神谷にもその恩恵はあったようだ。
「フェアウェイが軟らかいのでランが出ず、ドライバーのトータルの飛距離はそれほど変わらないのですが、キャリーでフェアウェイバンカーを越えられるので、ハザードがない感じです」
フェアウェイバンカーは狙いを定めるいい目印になっているという。ちなみに初日の計測ホールでは、飛距離273ヤードを記録している。神谷の前週までの平均ドライビングディスタンスが258.53ヤード(ランキング1位)だから、かなり飛距離は伸びているようだ。
「調子は上がってきているけどショットとパッティングがかみ合わず、このところはもどかしい時間を過ごしてきました。あすは久しぶりに優勝争いができるので、自分らしい攻めのゴルフで楽しめたらいいなと思います」
快進撃を続ける神谷だが、そこはまだルーキー。毎週違うコースで試合が続くプロツアーにおいて、「頭がパンクしかけている」という。そのうえ、2週前の「楽天スーパーレディス」を熱中症で途中棄権もしており、体調は万全ではない。そのことでは「恐ろしいです」とひとこと漏らしたが、実はこの日のビッグスコアを援助した強い武器もある。
今週からヤマハの新しいドライバーを投入しており、それが見事にはまっているのだ。まだメーカー未発表モデルだが、ソール部分を見ると『RMX VD/M』とあった。
「3種類あるヘッドのなかで、一番構えやすいモデルを選びました。感触が良く、これまで打ったなかでも操作性が高い印象です。変に意識せずに、持ち球の打ちたいドローが打てています」
首位をゆく菅沼菜々は13アンダーで、その差は3打。バーディ合戦が展開されているだけに、あってないような差である。優勝争いの行方から目が離せない。(文・河合昌浩)
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