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“ファー”から始まった国内プロ初戦 馬場咲希は「切り替えて」6バーディ奪取

今季国内ツアーに初出場の馬場咲希が上々の滑り出し(撮影:上山敬太)

<富士通レディース 初日◇11日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>

プロとしての国内ツアーデビュー戦を迎えた馬場咲希は6バーディー・1ボギーの「67」をマークし、5アンダーの7位タイと好スタートを切った。緊張からか1番のティーショットを大きく左に曲げ、ボギー発進となったが、その後はしっかり挽回。米女子下部のエプソンツアーで戦った1年で成長した姿を見せた。

「朝は緊張していて、(練習での)ショットの感覚も良くなかったので、1番のティーショットは想定内といえば想定内です」。国内デビュー戦は“ファー”の声から始まったが、やはり実力は本物だ。3番パー4では残り138ヤードから8Iで5メートルにつけ、記念すべき初バーディ。3アンダーまでスコアを伸ばして迎えた終盤の15番では下りの3メートル、続く16番は1.5メートルを沈めて連続バーディとして、一気に上位争いに名を連ねた。

エプソンツアーでプレーする中で「緊張した時に普段のスイングができていない」と自己分析。テークバックや切り返しをゆっくりするように意識してきた。「スコットランドでの(AIG全英女子オープンの)予選会(8月)の後に父やコーチと話し合ってリズムを変えました」。この日はまさに緊張感たっぷりのデビュー戦だったが、打ち急ぐことなく、最後まで自分のスイングを貫いた。

初日は今季7勝と絶好調の竹田麗央とのペアリング。「アメリカにいる時も『日本女子オープン』の映像を見て勉強していたので、楽しみにしていました。飛距離も出るし、2打目も上手でパッティングも安心感があってすごいなと思いました。打つ前から入りそうな雰囲気があって“やっぱ入るか”みたいな感じでした」。入りそうな雰囲気は馬場自身も目指すところ。「自分では分からないので、周りからそう思われるように練習していきたい」と話した。

初日のプレーを振り返り「(同組の)吉田(優利)さん、竹田さんのおかげでたくさんのギャラリーがいて、その前でプレー出来て楽しかった。自分の状態を考えたらボギーは打つだろうと思っていたので、切り替えてバーディを取れたのが良かったです」。首位とは3打差と十分に優勝が狙える位置にも「今日はいいプレーができて良かったけど、あと2日あるのでどうなるか分からないですね」と話した。

本人は至って冷静だが、2022年には日本人として37年ぶりに「全米女子アマ」を制した大器がデビュー戦でいきなりの優勝争いとなれば、周囲の期待は一気に高まりそうだ。(文・田中宏治)

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