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ラウンド当日、朝食はコンビニで買って、ゴミはゴルフ場に捨てる? これって当たり前ですか?

コンビニエンスストアで販売しているおにぎりやパンは、手軽に食べられるため、ゴルフの朝食にも最適(撮影:ALBA)

「ゴルフの日の朝食からゴルフは始まるものなのに、コースのレストランで過ごす時間を無視して、コンビニで買った朝食で済ましてしまう人が増えているというのは大問題じゃないか?」

厳格なオールドゴルファーたちが、異口同音にそんなような話をし始めてあっという間に10年が経ちました。

昭和の頃、お弁当のように、外から食べ物を持ち込んでコースやクラブハウスで食べるというのは、行儀が悪く、お里が知れる行為として御法度でした。

下界のことを忘れて楽しめるように、すべてのことをゴルフコースの施設で済ますことが、非現実の夢の国というゴルフコースの基本だという概念は、千葉県に夢の国が輸入される遙か以前から、ゴルファーという人種の中には息づいていたのです。

平成の30数年。ゴルフコースは、絶滅の危機の中で生き残るために、必死に方法を模索しました。そしてそれは今現在も続いています。夢の国を維持できなくとも、単純にゴルフコースだけでも残すのだ、という執念を個人的には賞賛しています。

多くのコースが切り取れるサービスは徹底して排除し、経営のスリム化を図ったのです。

その結果、レストランはランチのみ、昼のみの営業ということになりました。つまり、朝食をゴルフコースで食べる、ということは、現実に無理になったのです。ちゃんとした調査をしていませんが、ゴルフ場経営に詳しい識者4名に確認したところ、2023年の時点で、フロントのオープンと同時にレストランも朝食メニューを揃えてオープンしているコースは、かなり甘めに見ても2割を切っていると思われるとのこと。

間違いなく、過半数のコースのレストランは、朝の営業をしていませんし、それが普通になっているのです。

オールドゴルファーは、“少数派の夢の国を維持できているゴルフコース”に行く傾向があるので、現実が見えていないだけ。それは誰が悪いとかではなく、多様化が進む世の中の流れの中の意見の違いとして、認め合うしかない。

実は、自分も10年以上前から、朝、高速に乗る前にコンビニに寄って、朝食を買って、車の中で食事を済ませてゴルフコースに向かうのが当たり前になっているひとりです。手軽に食べられるおにぎりや、パンは、定番から新作も揃っていて、毎回の楽しみになっています。完全にゴルフの一部になっていて、やめられません。

ゴルフのスタイルは、時代と共に進化も退化もします。変わっていくからこそ、ゴルフは数百年も続いてきたのです。ゴルフの朝食問題には、善悪もなければ、正解もありません。

ただ、コンビニ朝食派が増えていて、当たり前になりつつある流れの中では、「ゴミは持ち帰る」という原則をセットにしなければ、悪になる要素はある。余計なことで負担をかけない心配りは当たり前です。ゴルフを楽しめるように準備してもらっていることに、対価を支払うだけではなく、感謝できてゴルファーとして一人前。そう考えるべきではないでしょうか。

(取材/文・篠原嗣典)

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