急きょのオフはカラオケで西野カナを熱唱 小祝さくらが勝みなみと過ごした“ほっこりタイム”

小祝さくらが今季初優勝へ好スタートを切った(撮影:佐々木啓)

<明治安田レディスゴルフトーナメント 初日◇18日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>

クマ出没による中止で、急きょ、オフになった前日17日。小祝さくらは、午前中の練習を終えると、仲良しの勝みなみとともに気分転換に向かった。「カラオケに行って、その後、夜ご飯を食べました」。緊迫した話題が続いたコースで、ほっこりとする時間を過ごした。

「(試合が)中止になった日に行くくらい」と決して、頻度の高い遊びではないが、小祝は西野カナなどを熱唱。その様子を「(キーが)高いので声が疲れて、きょうは声を出すのが大変でした。きのう出し切ってしまって」と、ほのぼのと振り返る。勝にとっても、このひと時は「日本ツアーに来ている時しか、さくらちゃんとは会えないし、めちゃくちゃ楽しい」という“ご褒美タイム”になっている。

そこでリフレッシュできたのか、小祝は6バーディでボギーなしの「66」と、好スコアをマーク。特に、後半7番からの上がり3ホールでは、1メートル、10メートル、4メートルのパットを決める圧巻の3連続バーディを奪った。「いい締めくくりでした」と、このプレーには満足そうにうなずく。

クマがコースにいるかも…という不安は、「スタートしたら感じなかった」と話すが、最近ニュースで見る各地の被害には心を痛めている。北海道出身ながら、クマの目撃経験はなし。「油断はできない」と対策法もチェックしている。「調べると『逃げるな』とか“イチかバチか”のことしか書いてなかった。実際に遭遇したら…多分、逃げちゃいそうだし、そんな判断はできないかも」と警戒は強めている。

2019年から6年連続で優勝し、ツアー通算11勝を誇る実力者も、今季はここまで未勝利。とはいえ、先週までの16試合中10試合でトップ10入りを果たすなど、安定感はバツグンだ。“あと一歩”の状態が続くなか、「いいゴルフが3日、4日と続けられない1日は納得いかないゴルフがあって、そこが今の課題ですね」と歯がゆい思いを抱いている。それでも「(優勝を)待つ感じで。そんなに内容は悪くないので、いいゴルフができればチャンスも来ると思いながらやってます」と、日々の準備にぬかりはない。

中止の影響で、大会は54ホール短縮競技になり、さらに無観客開催という措置が取られた。「(無観客は)ひさびさですごい新鮮。グリーンでカップに寄ったのかも(声援がないから)分からないし、(ギャラリーが)いないと違うなと感じました」と、コロナ禍を思い起こす風景が広がる。そんな異例の大会でも、「いつもと(心境は)変わりません」というのはさすが。6アンダーは首位と3打差の3位タイ。“親友”との時間も力に、今季初優勝へと近づいていく。(文・間宮輝憲)