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首位発進の山内日菜子が先輩・成田美寿々からもらった“即効アドバイス” 「アイアンの方向性がよくなりました」

5アンダーで首位タイ発進を決めた山内日菜子(撮影:福田文平)

<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 初日◇7日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>

「疲れました…」。ラウンド後、開口一番発した言葉でメジャーのタフさが伝わってくる。今年3月の「アクサレディス」でツアー初優勝を挙げた山内日菜子が「67」。3人が並ぶ首位タイのひとりとして初日を終えた。

午前組でも、大村湾沿岸にあるコースに吹き込む風は容赦ない。だが10番からスタートすると、11番、そして海越えの難関12番パー3でバーディを刻む。特に12番は、151ヤードの距離をアゲンストの風に対抗し1番手上げた6番ユーティリティで打った一打が、ピン右2メートルにつくナイスショットに。「私が打った時は、風がおさまってくれて穏やかでした」と、運も味方した。

ただ“疲れ”の原因になったのは、2アンダーとして迎えた後半にあった。少し打ちどころを間違えると、すぐにOBになる3番パー4などがそれにあたる。難しいホールが続くこともあり、前の組が詰まって1ショットごとに待ちの時間が発生した。「難しいことを考えないようにって、そこに集中力を使いました」と、一気に体力は削られたものの、その後半も3つのバーディを奪った。

3月に出身地の宮崎県で飾った涙の初優勝は、今季の女子ツアーを象徴するシーンのひとつになった。開幕時のQTランクは181位で、下部ツアーの出場権すらままならない選手が、推薦で出場した地元での今季自身初戦で勝利するというドラマの主役に。しかし直後の「ヤマハレディースオープン葛城」こそ9位で終えたが、それ以降はトップ10入りはなし。7月の「楽天スーパーレディース」からの5戦連続など、5月末からは予選落ちの文字も目立つようになった。

そんな雰囲気を、ひとりの先輩プレーヤーとの出会いが変えることになるかもしれない。「CAT Ladies」で予選落ちした後、千葉県に向かい、ツアー通算13勝の成田美寿々と練習、ラウンドをともにしアドバイスをもらった。「私があまりレギュラーに出ていなかったのでテレビで見る人って感じでした」というが、今週もバッグを担いでもらっている高橋あゆみキャディが、成田のマネージャーも務めていることで縁がつながった。

この時に学んだのが、ライン出しのショット。山内の悩みは57.2049%で93位と低迷するパーオン率。ショットの方向性を問題視しており、2打目以降でグリーンをとらえる確実性を上げるため、これまで「あまり使ってこなかった」というバリエーションを教えてもらった。「ハーフショットの練習をすごくやると聞いて、マネさせてもらった。それからラインが徐々に出るようになり、アイアンの方向性もよくなりました」。すると先週の「ゴルフ5レディス」は50位ながら、6試合ぶりに決勝ラウンドを戦うことができた。

難しいと言っていた3番では、右からの風に乗ったセカンドショットがグリーン奥まで飛び、あわやOBという危機も訪れたが、木に当たったことで最悪の事態は免れた。「あそこはラッキーだったけど、そういうことは続かない。マネジメントを頑張りたい」と、この一打が気も引き締める。

成田と出会った週のCAT Ladiesは、同期の蛭田みな美が初優勝。「めちゃくちゃ刺激になりました。(プロテストの)20人を同じ時期にくぐり抜けた同期の存在は、ちょっと違いますよね」。先輩、同期の力も借り、残り3日間、タフなコースに飛び出していく。(文・間宮輝憲)

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