女子OPは“黄金世代のための大会”に? 原英莉花V2により5年連続で同世代が日本一に
<日本女子オープン 最終日◇1日◇芦原ゴルフクラブ 海コース(福井県)◇6528ヤード・パー72>
今年の女子ゴルファー日本一決定戦は、原英莉花が約2年ぶりの勝利に、笑い、そして泣いた。これが福岡県で行われた2020年以来となる大会2勝目になったが、最近続いていた、ある流れも継続することになる。
原が初めて日本一の座についた年の前年、19年大会は畑岡奈紗が勝利し大会3勝目を挙げた。さらに翌年の21年からは勝みなみが連覇と、これで5年連続で黄金世代が勝利したことになる。
さらに振り返ると、16年は当時アマチュアの畑岡が衝撃Vを成し遂げ、17年には連覇も達成。18年は韓国のユ・ソヨンが優勝者として名前を刻んだが、ここ8年間のうち7勝を1998年度生まれの選手が制している。ちなみに18年大会で2位になったのは畑岡だ。不思議なほど“黄金世代のための大会”という様相を呈している。
思い返すと原は、20年大会の優勝会見の席でこんなことを話していた。「私は小さい時に成績を出せなくて、(勝)みなみちゃんや(畑岡)奈紗ちゃんを『すごい』と思って見ているタイプでした。でも強い気持ちを持っていれば上にいけるんだなと思えた。もともとの差が大きいので、まだ差はあるけれど、一歩一歩縮めていきたいですね」。アマチュア時代は日本タイトルと無縁だった原の“本音”だった。
そして今年「中学時代からの憧れの大会」で2つ目のトロフィーを手にした。今回の優勝会見でも「この舞台はいつまでたっても憧れだし、2回もカップに名を刻めたことはうれしいです」という言葉も聞こえてきた。
“切磋琢磨”という言葉だけで、この連鎖を説明できるかは分からない。ただ、原が3年前に話したような思いを胸に秘めていたことも事実だ。そしてこれから米国女子ツアーへの挑戦も始まる。5月にはヘルニアの摘出手術を受けたが、それを乗り越えての勝利とあって、その価値はさらに輝きを増す。改めて“黄金世代強し”ということを印象づける大会になった。
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