• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 最後は375ヤードのビッグドライブ披露! タイの16歳がアジア女子No.1に輝く

最後は375ヤードのビッグドライブ披露! タイの16歳がアジア女子No.1に輝く

タイの16歳、エイラ・ガリツキーってどんな選手?(撮影:ALBA)

<アジア・パシフィック女子アマチュア選手権 最終日◇12日◇シンガポール・アイランドCC(シンガポール)◇6343ヤード・パー72>

2018年の第1回大会を制し、世界ランキング1位にも立ったアタヤ・ティティクル(タイ)の足跡をたどる新星誕生だ。タイの16歳、エイラ・ガリツキーが2位に5打差をつける圧勝で、アジア太平洋地域女子No.1の称号を手にした。

後続と4打差の単独首位で迎えた最終日。エイラは「ナーバス(緊張した)」と繰り返すが、その言葉をみじんも感じさせないプレーを展開した。前半を1アンダーで折り返すと、14番でこの日唯一のボギーを喫したが、続く15番からの残り4ホールで3バーディ。他を寄せ付けない圧倒的強さだった。

「この瞬間に本当に感謝している。今週初めには、こんなことになるとは思ってもいなかった」。練習ラウンドでは「ボールを5つ失くした」と手こずり、開幕前には予選通過ができれば、とだけを考えていた。

カナダ人の父、タイ人の母を持つエイラは、8歳の時に家族ぐるみの友人の影響でゴルフを始めた。「初めてボールを打った時からゴルフが好きになった。そして初めて出場した大会で2位に入ってトロフィーをゲットした。トロフィーが本当に大好き!」。現在はタイのナショナルチームに所属し、今年はすでにタイのアマチュア大会で2度のトップ3に入る好調っぷりをみせていた。

すらりとした体型ながら、長身から繰り出される大胆なショットは高弾道で、かなり飛ぶ。それが顕著に表れたのが大会72ホール目の最終18番パー5(550ヤード)だった。「ちょっと緊張していたから、フェアウェイキープをするように心がけた」というティショットは、なんと375ヤードのビッグドライブ。落としどころが下り傾斜ということを差し引いても、すさまじい飛距離だ。そこから7番アイアンで楽々2オンに成功し、余裕のバーディ締め。“あっぱれ”という言葉しか出てこない。

クラブセッティングも面白い。14本のクラブのうち、ウッドはドライバーと3番ウッドの2本のみ。そして女子には珍しく“2番アイアン”が入れられている。昨年は「レスキュー」(ユーティリティ)を使用していたが、スイッチした。なかなかのハードスペックだが、「2番アイアンがしっくりきた」と涼しげな表情を見せるのにも驚く。

優勝副賞として海外メジャー大会への出場権も手にしたが、そのなかでも一番楽しみにしているのは「AIG女子オープン」(全英)。「女子ゴルフの“ザ・チャンピオンシップ”だと思う」。大好きだというヨーロッパに思いを馳せ、世界に向けての大きな一歩目を踏み出した。(文・笠井あかり)

関連記事