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77→66で「11打縮めましたね」 渋野日向子がシーズンメジャー初戦で“劇的”トップ5入り【米女子22年名勝負】

渋野日向子はホールアウト後にこの笑顔(撮影:福田文平)

米国女子ツアーはタイ決戦を皮切りに、いよいよ2023年シーズンが本格的にスタートする。今季はこれまでの畑岡奈紗、渋野日向子、古江彩佳、笹生優花に加えて勝みなみ、西村優菜といった選手も参戦。ますますの盛り上がりを見せるであろう戦いの前に、昨シーズンの名勝負を振り返りたい。【シェブロン選手権】

メジャーシーズン初戦として行われるのは「シェブロン選手権」。名門・ミッションヒルズCCで開催されるのは昨年が最後で、優勝者が18番横の池(通称ポピーズ・ポンド)に飛び込むのも、2022年大会が最後となった。

記念すべきラストマッチとなった昨年大会で、渋野日向子が優勝戦線に名乗りをあげた。初日に2オン・イーグルを奪うなど10位タイの好発進を決めると、2日目に7つのバーディを奪って「66」と爆発。単独首位に浮上して決勝ラウンド進出を決めた。

「振れていまして…(笑)」とティショットは絶好調。飛びすぎ注意のラウンドは「アドっていましたね(笑)」と、好調さに上位争いという状況も加わって“アドレナリン”が出まくり。飛距離も大幅にアップしていた。

そのまま突っ走るかに見えたが、海外メジャー2勝目に向けて伸ばしたかったムービングデーは厳しかった。3日目は2つのバーディを奪ったものの、ボギーが3つにダボも2つ。「77」でのプレーで、21位タイまで大きく後退した。「首位から出て欲というか、上位に居続けたいと思った。チャンスがあるところにいたいと思った。一番上にいる厳しさは何回やっても慣れない」とため息をつき、優勝争いには程遠くなってしまった。

しかし、ここから渋野劇場が再び幕を開ける。最終日は2番でバーディを先行させると、3番、4番と3連続バーディ。折り返した直後も10番からまたしても3連続で奪った。終始攻めの姿勢を貫いた「66」の圧巻プレーで、最終成績は4位タイ。米ツアーメンバーとして初めてのメジャー大会は、トップ5入りで終えた。

「11打縮めましたね」という笑顔たっぷりのフィニッシュ。前日からの切り替えには「時間かかりましたよ~、やけ食いしましたもん(笑)」と牛タン20枚にご飯大盛り、劇的な巻き返しには「4日間あったら何かしら1日やらかす(笑)。できればメジャーも3日で終えたい(笑)。4日やっていいのだけ選ぶ。そんなん無理ですけど」と自虐を交えるシブコ節には表情も和らいだ。

本格参戦1年目のメジャー大会で、予選ラウンドを単独首位で折り返し、3日目に大きくスコアを落としたものの、最終日に盛り返してトップ5入り。まるでジェットコースターのような劇場型プレーの渋野らしい戦いだが、とはいえ、これで中盤戦の出場権を手中に収め、シード権獲得に向けての大きな一歩目になったことは間違いない。

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