昨年の春に日本のキャロウェイが企画した“抜けのいい”『X FORGED』は、本来『APEX』シリーズを使うべき海外男女プロがこぞって使って大ヒット！ 直近の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でミンジー・リーが使用して優勝するなど、飛び系アイアンの人気を下火にするほどの“軟鉄系ブーム”を再燃させたと言っていい存在だ。その『X FORGED』が、またもや軟鉄鍛造を神アプデだ！
それが、7月18日に日本のゴルファーのために送り出す最新作、『X FORGED MAX』と『X FORGED MAX STAR』になる。昨年、長く欠品するほどの人気を誇った『X FORGED』シリーズの進化形として、生粋の鍛造クオリティをベースに“操作性”と“やさしさ”の究極の両立を追求した意欲作。その革新の中身を見ていこう。
トウ・ヒールに“穴”で寛容性UP！
まず、見ていきたいのが「宮里藍サントリーレディスオープン」で六車日那乃や吉田鈴、手束雅や河本結らが土砂降りの中でテストしていた『X FORGED MAX』。そのバックフェースをよく見ると、キャロウェイが軟鉄鍛造を神アプデした痕跡が見え隠れしている。
『X FORGED MAX』は、1ピース軟鉄（S20C）鍛造キャビティの正統派を受け継ぎつつ、トウ・ヒールにCNC加工で極小ポケットを彫り、低・深重心化した。これは寛容性を追求したためで、ミスヒットでもラクに高く打ち出せる。しかも、ヘッド中央部は肉厚を確保し「軟鉄鍛造らしい」しっとり濃密な打感で、繊細な操作性も犠牲にせず、上級者の感覚も活かせる“いいとこ取り”モデルだ。
試した女子プロたちが唸る通り、そのフォルムもまた秀逸だ。シャープなヘッドシェイプと控えめなオフセットは歴代『X FORGED』シリーズの美しさを継承しつつも、トップブレードには抑制された面取りで適度な厚みを持たせ、アスリートゴルファーにも安心感を与える“面長な”顔つきに。
切子がモチーフの『X』の遊び心！
セミワイドかつ、抜けのいいトライレベル・ソールは昨年大ヒットした『X FORGED』から継承。余剰重量の最適配分による安定性と、リーディングエッジ＆トレーリングエッジの精巧な面取りで、あらゆるライでもスムーズな抜けとコントロールを実現する。さらに、所有感をくすぐる隠れた美意匠——切子（カットグラス）調の「X」ロゴが、バックフェーストウ側にキラリと輝き、所有者だけが知る“密やかな遊び心”を演出している。
また、7Iロフト32度のロフト設定でやさしく飛ばせるのも現代的。4、5Iは単品で、6I～PWの5本セットで『N.S.PRO MODUS³ TOUR 105』と『Dynamic Gold MID115』の2種から選べて多様なゴルファーをサポートする。一打ごとにヘッドの許容性と打感の良さを体感でき、“操作性と寛容性”を両立したモデルといえる。
キャロウェイ史上初の「デュアル軟鉄構造」！
一方、『X FORGED MAX STAR』アイアンは、伝統的な軟鉄鍛造の常識すら塗り替えている。最大の特徴は、フェース側・バックフェース側を独立鍛造し、溶接で組み上げるという、前代未聞の【デュアル軟鉄構造】だ。これにより、常識外れの深く大きなポケットキャビティとワイドソールの両立に成功した。
「軟鉄鍛造ではあり得ない深重心の効果が加わることで、通常のアイアンではかからないギア効果を生み出すことに成功した」と胸を張る同社。重心やや高め&深めという設計上の発想転換で、重心下でヒットするため“ギア効果の壁”も突破したという。結果、軟鉄鍛造のしなやかな打感と、バックスピンを増やせるUT的なやさしさも併せ持つことに成功した。
そのため7Iロフトは30度と立たせ、フェースも薄く反発力を増してたため「軟鉄鍛造を使いたいけど、飛距離が不安…」という人にはもってこい。加えて、『X FORGED MAX』と同様に、トライレベル・ソールで地面を素早く振り抜けるため、より大きな弾道を得やすくなる。
バックフェースをより大きく飾る、切子調の「X」デザインも“STAR”ならではの個性だ。ラインナップも豊富で、4・5Iは単品、6I～PWの5本セットで、シャフトは『N.S.PRO 950GH neo』『MODUS³ TOUR 105』、『RECOIL DART 6T』の全3種で、幅広いスイングタイプにマッチする。
本当に“長く使える”軟鉄鍛造を！
双方とも徹底した日本ゴルファーのための専用設計で、『MAX』は“やさしい軟鉄鍛造”、『MAX STAR』は“飛び系の軟鉄鍛造”の位置づけ。この明確なキャラクター分けと洗練されたデザインには「キャロウェイらしい革新と遊び心」が息づいている。
いずれも、我々が年齢を重ねて衰えても、長く使える軟鉄鍛造と言えそうだ。昨年に日本企画で世界のツアーを席巻した『X FORGED』が、『MAX』が加わる【寛容性の神アプデ】で、我々ゴルファーの“現役寿命”を伸ばしてくれる。
✦撮影・福田文平、GettyImages
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