北村晃一がメジャーで決勝進出 目標は控えめの「10アンダー」

北村晃一が今季初のレギュラー予選通過(撮影:上山敬太)

<日本プロゴルフ選手権 2日目◇5日◇富士カントリー可児クラブ 志野コース(岐阜県)◇7164ヤード・パー71、7201ヤード・パー72>

タレントとしても活躍する北村晴男弁護士を父に持つ北村晃一。5月に行われた国内男子下部ABEMAツアー「太平洋クラブチャレンジ」で39歳にして初優勝を達成し、好調のまま挑んだプロゴルファー日本一決定戦で決勝進出を果たした。

現在、拠点を福岡に置く北村は、九州地区の予選会から勝ち上がり、今大会に出場している。2007年、22歳の時にゴルフを始め、2年後にはプロテストに合格。多少時間はかかったが、17年にはついにレギュラーツアーの賞金シードを獲得した。1年でシード権を手放し、苦難の時が続いたが、今年5月に下部ツアーで念願の初勝利。苦労人がプロ入り15年目でつかんだ栄冠だった。

今季レギュラーツアーに出場するのはこれが2回目。前回の「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」では予選落ちを喫したが、今大会ではトータル3アンダー・30位タイで決勝へ駒を進めた。好調のように見えるが「ショットは(試合に)来るまでは良かったのですが、(練習日の)土砂降りの中で練習したらおかしくなっちゃった」と苦笑いを浮かべた。

「フェアウェイに行ったのが、前半1回、後半2回しかいっていない」と嘆く。多くの選手がフェアウェイが狭いと口にするが「自分のせいです」とセッティングの影響ではないよう。「一貫して全部右ラフ。だからあまり気にしていない」とこのまま決勝も突っ走る気だ。

参戦数は少ないものの、レギュラーツアーでの予選通過は22年の「Sansan KBCオーガスタゴルフ」までさかのぼる。同年の「日本プロ」でも13位タイと好成績を収めているが、「シードを取る前から日本オープンや、日本プロはぼちぼちだったんで、伸ばし合いよりは好きですね」とメジャーとの相性は悪くない。

ただ「フェアウェイに行けば、グリーンが固くなっていないからバーディチャンスに付くと思います。ティショットが曲がっていない人がスコアをバンバン出している。そんなに難しいセッティングじゃないですね」と得意の展開とは行かなさそうだ。上位にいる20代の若手が2ケタアンダーまで伸ばす展開に「トップの11アンダーはすごいな。若い子はうまいですね」と舌を巻いている。

久しぶりとなるレギュラーツアーの決勝。「4日間を回って、10アンダーにいればぼちぼちかな」と目標は2桁アンダーフィニッシュだ。多くの選手が顔を真っ赤にしながらプレーをするほど、うだるような暑さが続く岐阜決戦。ハードなラウンドとなったが、「暑い暑いと言ってもしょうがないので、目の前の一打に集中できるようなコンディションに持っていきたいと思います」。暑さ対策をしながら決勝を戦っていく。(文・齊藤啓介)

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