メジャーVを機に大スランプ タイガー最大のライバルは今何をしている?
海外女子メジャー今季2戦目「全米女子オープン」で、笹生優花が見事な逆転優勝で、自身メジャー2勝目を挙げた。メジャー大会を制することができるゴルファーはほんの一握りだけ。しかし、メジャーを制したことで大スランプに陥った選手がいることをご存じだろうか?
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2001年の「全英オープン」、ついにメジャー勝利を手にしたデビッド・デュバル(米国)は本当にうれしそうにクラレットジャグを掲げた。しかし、これが彼の最後の米ツアー勝利となるとは誰が想像しただろうか?
“DD”のニックネームで親しまれたデュバルは、1996年にプロ転向したタイガー・ウッズ(米国)の最大のライバルとして立ちはだかった。98年は米国男子ツアーの賞金王と最少スコアのバードン・トロフィーを受賞。99年の「ボブ・ホープクラシック」の最終日に「59」をマークして勝利し、“ミスター59”とも呼ばれた。
極端なフックグリップでルックアップ。当時は「変則スイング」と言われたが、トレードマークのサングラスの下にある顔は自信に満ちていた。2000年にはウッズと組んでワールドカップで勝利。翌01年は太平洋クラブ御殿場コースでウッズとともに防衛戦に臨んだが、惜しくもプレーオフで敗れた。
同年の11月の日本ツアー「ダンロップフェニックス」に勝利したのが、今のところデュバル最後の勝利。腰、肩、手首の痛みに加え、めまいにも悩まされ、長年のパートナーとの別離などプライベートにも問題が起きた。
04年の「全米オープン」ではトータル25オーバーで予選落ち。ティショットでフェアウェイを捉え切れず“スランプ”は悪化の一途。キャリアの終焉がささやかれた。
しかし、デュバルは諦めなかった。04年に現夫人のスーザンさんと結婚。11年にシードを失うと、米ゴルフチャンネルのESPNでリポーターを務め、明るい声が聞かれるようになった。その傍ら生涯獲得賞金、スポンサー推薦でツアー参戦も続行していたが、14年に「もうスポンサー推薦では出場しない」と自身のSNSで宣言。「自分の力でツアーに戻りたい」という思いの言葉だった。
21年11月に50歳を迎え、22年からはPGAツアー・チャンピオンズ(米シニアツアー)に参戦中。「またルーキーとして戦えることがこの上なくうれしい」と興奮を隠さない。残念ながらまだ勝利には届いていないが、昨日まで行われていた「プリンシパルチャリティークラシック」では3位タイと、段々と調子を上げている。息子のブレイディとペアを組み「PNC選手権」に出場することを最大の楽しみとし「第2の人生は少しずつ進んでいる」と復活勝利を目指す日々を送っている。(文・武川玲子=米国在住)
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