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ニューヨーカーのハートをわしづかみ! 46歳クラブプロが一躍ヒーローに

ニューヨークファンの大歓声を浴びたマイケル・ブロック(撮影:GettyImages)

<全米プロゴルフ選手権 3日目◇20日◇オークヒルCC(米ニューヨーク州)◇7394ヤード・パー70>

大雨に見舞われた大会3日目。難コースのオークヒルCCを最も騒がせたのは、クラブプロのマイケル・ブロック(米国)だった。

ネバダ州リノ出身の46歳。ミズーリ大学を卒業後、1998年にプロ転向した。一時はツアープロも目指したが、現在はカリフォルニア州ロサンゼルス近郊のアロヨ・トバルコGCでヘッドプロを務めるPGA・オブ・アメリカ(全米プロゴルフ協会)所属のクラブプロだ。

この全米プロには、主催するPGA・オブ・アメリカ所属のクラブプロ20人が毎年出場する。全米のカントリークラブやティーチングプロにとっては憧れの舞台でもある。ブロックは過去に4度出場して、予選通過したことは一度もなかった。

「まさか週末にプレーするとは思っていなかった」と、ブロックは土曜日の早朝にカリフォルニアへと戻る飛行機をすでに予約していたという。

そんな予想とは裏腹に、ブロックは奮闘した。トータルイーブンパーの10位タイ。出場したクラブプロ19選手で唯一、決勝ラウンドにコマを進めることになった。

第3ラウンドはメジャーチャンピオンのジャスティン・ローズ(イングランド)と同組でスタート。前半は難ホールの6番でダブルボギーにするなど2打落としたが、11番パー3で3.5メートル、14番パー4で2メートル、15番パー3もピン右2メートル半につけて大歓声を引き出した。いずれも見事に沈めてバーディを奪うと、ローズからも祝福を受けた。

堅実にフェアウェイを捉えて、正確なショットでピンに絡める。「まさかこんなにうまくいくとは…」と胸を高鳴らせて、大きな笑みで驚きの表情。そんなブロックはたちまちギャラリーの一番人気となった。ラウンド中には米国で放映するCBSスポーツからインタビューを受けて、「きっと僕のレッスンは5年先まで埋まるよ」とジョークも飛ばした。

最終18番パー4は6メートルのバーディパットがカップ手前でわずかに右に切れたが、パーパットを沈めるとコースに再び大歓声が響いた。雨の中の第3ラウンドは4バーディ・2ボギー・1ダブルボギー。3日連続「70」で堂々のトータルイーブンパー・8位タイにつけた。

6打差の逆転優勝は「高すぎる目標」とした。これまでのプロ生活で獲得した賞金の最高額は2014年のクラブプロ・ナショナル選手権の7万5000ドル(約1000万円)。「1週間でそれだけ稼げて本当にハッピーだった」と笑う。そして、最終日はローリー・マキロイ(北アイルランド)とのペアリングで迎える。「何よりもゴルフが大好き。世界のトッププロと戦えることが本当にうれしい」とブロック。

「あしたもきっと踏みとどまれる」。自分自身へ期待を込めた。

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