初優勝狙う脇元華が4試合ぶりのアンダー発進 トップで左ヒジを“緩める”動きが安定感を生む秘訣だった!【プロコーチが解説】

初日3バーディ・1ボギーの『70』で18位タイ発進となった脇元華(撮影:米山聡明)

「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」の初日、3バーディ・1ボギーの『70』で回った脇元華。8月の「CAT Ladies」以来4試合ぶりに初日アンダー発進となった。初優勝が待たれる彼女のスイングをプロコーチの平尾貴幸氏に解説してもらった。

体はオーソドックスに使いながら、全体的に腕を上手く使ってクラブを加速させる、クラブを振るのが上手いスイングです。特徴的なのは、アドレスからハーフウェイバックあたりまでは、ピンと張っていた左腕がトップでは緩み、インパクトに向かって再び伸びている点。腕はずっと伸びているよりも、やや遊びがあった方がしなやかに使えてスピードアップにつながります。

この左ヒジの使い方は前傾キープにも良い影響を与えています。腕は内側に回せば突っ張り、外側に回すと緩んでヒジが曲がります。また腕が突っ張れば肩甲骨は上がり、ヒジが曲がれば肩甲骨は下がる。つまり、脇元さんのように左腕を外側に回して肘が曲がり、肩甲骨が下がれば、トップで左肩が上がることなくスムーズに回転でき、前傾角度も変わりにくいというわけです。

トップでは左ヒジが曲がり、ダウンスイングでは右ワキを締め、右ヒジを体につけていますが、右サイドが下がることなくクラブが立って下りてきています。左腕を外側に回して外にいったヘッドを、左腕を内側に緩やかに回してしっかりと戻す。クラブを立たせる動きが入って、ヘッドが高い位置をキープできるのです。安定感のあるスイングで優勝も近いと思います。

■脇元華
わきもと・はな/1997年生まれ、宮崎県出身。2018年7月に3度目のプロテストで合格。翌19年に初シードを獲得するも、翌シーズンに喪失。24年にキャリアハイとなるメルセデス・ランキング30位に入り、今季からシード復帰した。GMOインターネットグループ所属。

■解説:平尾貴幸
日本大学ゴルフ部出身。10歳から本格的にゴルフを始め、25歳からインストラクターに。ジュニアやアマチュア、プロゴルファーまで、機能解剖学をもとにトレーナーと連携したレッスンが人気。ティーチングプロA級取得。

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