ゴルフ会員権とは?取得に必要な費用,メリット/デメリットも

「ゴルフ会員権」と聞くと、なんとなく「高額で特別な人だけのもの」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、ゴルフを趣味として長く楽しむ人にとって、会員権を購入してゴルフ場メンバーになることでコストを抑えながら安定してプレーすることも可能です。

本記事では、ゴルフ会員権の基本から種類、選び方のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。

【記事監修者】

中西 啓太(なかにし けいた)
株式会社日本ゴルフ同友会 取締役
創業65年の日本最古のゴルフ会員権売買会社「日本ゴルフ同友会」で取締役を務める。ゴルフ会員権やゴルフ場の魅力についてわかりやすく発信する自社YouTubeチャンネル「ゴルフ同友会チャンネル」では、メインMCを務めている。

 

ゴルフ会員権とは

「ゴルフ会員権」とは、メンバー制のゴルフ場を利用するための利用権のことを指します。

一般的に、プレー料金の割引や予約の優先権、クラブ内の施設利用など、会員だけの特典が用意されています。

購入には初期費用がかかりますが、ビジター利用に比べて年間を通してお得にゴルフを楽しめる点が魅力です。

また、会員権は売買や譲渡が可能な資産としての側面もあります。

 

ゴルフ会員権には種類が5つある

続いて、ゴルフ会員権の種類を解説します。

正会員

ゴルフ会員権の中でも「正会員」は、最もスタンダードで一般的な種類です。

正会員になると、そのゴルフ場のクラブメンバーとして認められ、プレーの予約優先権やクラブ競技会への参加資格など、幅広い特典を受けられます。

また、利用回数に制限はなく、平日・土日を問わずプレーをすることができます。

ゴルフ場によっては施設の運営や方針に意見を出せる総会への参加権を有している場合もあり、まさに「そのクラブの一員」としての立場が与えられる会員権と言えます。

 

平日会員(月~金・土の利用が可能)

「平日会員」とは、その名の通り日祝日を除いた平日のみゴルフ場を利用できる会員権です。

週末や祝日は混雑しやすくプレー料金も高くなりがちですが、平日会員であれば比較的空いている平日にお得にプレーを楽しめます。

正会員と比べて入会費用や年会費が抑えられているのも魅力です。

また、ゴルフ場によっては土曜日も利用できるところがあります。

平日に休みを取りやすい方や、混雑を避けてゆったりプレーしたい方にぴったりの会員権と言えるでしょう。

 

週日会員(月~金の利用が可能)

「週日会員」とは、平日会員と似ていますが、利用できる曜日が「月曜日から金曜日までの平日」に限定されている会員権です。

一般的に土日祝日は利用できませんが、平日のみよりもさらに利用日が絞られる分、正会員や平日会員よりも入会金や年会費が低く設定されているのが特徴です。

平日の決まった曜日にゴルフを楽しみたい方や、コストを抑えて自分のペースでプレーしたい方に向いている種類の会員権です。

 

法人会員

「法人会員」とは、企業や団体が名義人となってゴルフ場を利用できる会員権のことです。

通常は、会社の役員や社員、取引先などがプレーを楽しむために利用され、接待や社内コミュニケーションの場として活用されることが多いのが特徴です。

個人名義の正会員とは異なり、登録者の交代が可能な場合が多いため、組織の状況に応じて柔軟に活用できる点がメリットです。

企業の福利厚生やビジネスの円滑化にも役立つ会員権の一つです。

 

婦人会員

「婦人会員」とは、ゴルフ場が女性専用に設けている会員権のことです。

女性の入会制限があるゴルフ場にて、設けられている会員権の1つです。

 

ゴルフ会員権を取得するのにかかる費用

続いて、ゴルフ会員権を取得するのにかかる費用を解説します。

ゴルフ会員権

「ゴルフ会員権」とは、ゴルフ場のメンバーになるにあたり、必要な「ゴルフ会員権」そのものの費用です。

この金額はゴルフ場や会員権の種類、人気度によって大きく異なり、数十万円から数百万円、時にはそれ以上かかることもあります。

譲渡可能な会員権は市場相場で価格が変動するため、タイミングや需要も重要なポイントです。

 

名義書換料(名変料)

「名義書換料(名変料)」とは、ゴルフ会員権を購入した際に、前の所有者から自分の名義へ正式に変更するためにゴルフ場へ支払う手数料のことです。

これは会員としての権利を正式に移転するために必要な費用で、ゴルフ場ごとに金額は異なりますが、一般的には数万円~数十万円程度が一般的です。

名義書換料は会員権の代金とは別に必ず発生するため、購入予算を考える際には忘れずに計算に入れておくことが大切です。

 

年会費

「年会費」とは、ゴルフ会員権を保有している間、毎年ゴルフ場に支払う維持管理費のことです。

この費用は、ゴルフ場の施設維持や運営、会員サービスの提供に充てられます。

金額はゴルフ場によって異なりますが、一般的には数万円から十数万円程度が一般的です。

たとえ一年間に一度もプレーしなかった場合でも、年会費は必ず支払う必要があるため、会員権を取得する際には初期費用だけでなく、継続的なランニングコストとして計画に含めておくことが大切です。

 

入会預託金

「入会預託金」とは、ゴルフ会員権を取得する際にゴルフ場へ預け入れる保証金のようなものです。

多くの場合、クラブの運営資金や設備維持のために活用されますが、会員を退会する際には一定の条件を満たせば全額または一部が返還されるのが一般的です。

ただし、返還時期や金額の扱いはゴルフ場ごとに規定が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

入会預託金は会員権の代金とは別に必要になるケースが多いので、総費用を計算する際には注意しましょう。

 

取扱手数料・売買手数料

「取扱手数料・売買手数料」とは、ゴルフ会員権を売買する際に仲介を依頼した専門の会員権業者に支払う手数料のことです。

会員権の購入者も売却者もそれぞれ負担するのが一般的で、金額は取引金額の数%程度が目安です。

この手数料には、相場の情報提供や名義書換手続きのサポート、必要書類の取りまとめなど、スムーズな売買を実現するためのサービスが含まれています。

会員権取得の総費用を考える際には、この手数料も忘れずに計算に入れておきましょう。

 

取扱手数料・売買手数料

「取扱手数料・売買手数料」とは、ゴルフ会員権を売買する際に依頼した専門の会員権業者に支払う手数料のことです。

会員権の購入者も売却者もそれぞれ負担するのが一般的で、金額は取引金額の2%程度が目安です。

この手数料には、相場の情報提供や名義書換手続きのサポート、必要書類の取りまとめなど、スムーズな売買を実現するためのサービスが含まれています。

会員権取得の総費用を考える際には、この手数料も忘れずに計算に入れておきましょう。

 

ゴルフ会員権を取得するメリット

続いて、ゴルフ会員権を取得するメリットを解説します。

メリット①:優先的に予約できる

「優先的に予約できる」というのは、ゴルフ会員権を持つ大きなメリットの一つです。

一般のビジターは人気のシーズンや週末に予約が取りづらいことが多いですが、会員であれば会員枠として確保された時間帯を利用できるため、希望日にプレーできる可能性が高くなります。

名門のゴルフ場では、メンバーからの予約しか受け付けていないゴルフ場も存在します。

特に土日祝日の混雑時でも、会員の優先予約が適用されるので、計画的にゴルフを楽しみたい方にとって大きな安心材料です。

安定して好きなタイミングでゴルフを満喫できるのは、会員権ならではの特権と言えるでしょう。

 

メリット②:クラブ競技会に参加できる

「クラブ競技会に参加できる」というのも、ゴルフ会員権を取得する大きなメリットの一つです。

会員になると、そのゴルフ場が主催する月例競技会やクラブ選手権など、さまざまな公式競技にエントリーできるようになります。

競技会では、腕試しをしながら技術を磨けるだけでなく、他の会員との交流も深まる貴重な場になります。

ゴルフを単なる趣味として楽しむだけでなく、競技ゴルフとして真剣に取り組みたい方にとって、会員権は大きな魅力と言えるでしょう。

 

メリット③:プレーフィーが安くなる

「プレーフィーが安くなる」というのは、ゴルフ会員権を持つ人だけの大きな特典です。

通常、ビジターとしてプレーすると1回あたりのプレーフィーは高額になりがちですが、会員になると特別料金が適用されるため、1回ごとの負担が大幅に軽減されます。

さらに、ゴルフ場によっては同伴ゲストのプレーフィーも割引される場合があり、友人や家族を気軽に誘いやすくなります。

頻繁にゴルフを楽しむ人にとっては、会員権を持つことで年間の総コストを抑えられる大きなメリットとなります。

 

メリット④:接待で使える

「接待で使える」というのも、ゴルフ会員権を取得する大きな魅力の一つです。

会員になると、自分が所属するゴルフ場を取引先やお客様との接待の場として活用できます。

会員優待で予約が取りやすく、落ち着いた環境でゆったりとプレーできるため、ビジネスの話もしやすく信頼関係を深めやすいのが特長です。

また、格式あるクラブでの接待は相手にも特別感を与え、円滑な商談や良好な関係構築につながります。ビジネスパーソンにとって大きな武器となるでしょう。

 

メリット⑤:ゴルフ仲間が増える

「ゴルフ仲間が増える」というのも、ゴルフ会員権を持つ大きなメリットです。

会員同士の競技会やイベント、クラブハウスでの交流を通じて、自然と顔見知りやゴルフ仲間が増えていきます。

共通の趣味を通じて知り合うので、年齢や職業を超えて打ち解けやすく、プレー仲間を探す手間も減ります。

気軽に誘い合える仲間ができれば、ゴルフを長く楽しむモチベーションにもつながります。

単なるプレーの場にとどまらず、人とのつながりを広げられるのが会員権の魅力です。

 

ゴルフ会員権を取得するデメリット

続いて、ゴルフ会員権を取得するデメリットを解説します。

デメリット①:取得と維持にお金がかかる

「取得と維持にお金がかかる」というのは、ゴルフ会員権を持つうえで避けられないデメリットです。

会員権の購入時にはまとまった金額が必要で、さらに名義書換料や入会預託金などの初期費用がかかります。

取得後も、毎年の年会費やプレー代とは別に維持管理のための費用が継続的に発生します。

年間で計算すると、ゴルフ場によってはかなりの金額になることもあります。

ゴルフを頻繁にプレーしない人にとっては、負担だけが大きくなる可能性があるため、慎重に検討することが大切です。

 

デメリット②:プレー回数が少ないと損をする

「プレー回数が少ないと損をする」というのも、ゴルフ会員権を取得する際に注意すべきポイントです。

会員権を持っていても、年会費などの維持費用は必ずかかるため、年間のプレー回数が少ないとビジターで都度プレーするよりも結果的に高くついてしまうことがあります。

忙しくてゴルフに行く時間が取れない人や、季節や天候によってプレー頻度が大きく変わる人は特に注意が必要です。

会員権を取得する前に、自分のライフスタイルとプレー頻度をしっかり見極めることが大切です。

 

デメリット③:価値下落の可能性がある

「価値下落の可能性がある」という点も、ゴルフ会員権を持つ際の大きなデメリットのひとつです。

会員権は資産として売買が可能ですが、景気の変動やゴルフ場の経営状況、会員数の増減などによって市場価値が変動します。

場合によっては、購入時よりも大幅に価値が下がり、売却しても思った金額が戻ってこないこともあります。

資産としての期待だけに頼るのではなく、あくまでゴルフを楽しむ権利として考え、価値変動リスクを理解したうえで取得することが大切です。

 

まとめ:ゴルフ会員権について理解しよう

ゴルフ会員権は、ゴルフ場を優先的かつお得に利用できる権利であり、ゴルフライフを充実させる有効な手段です。

ただし、取得や維持にはまとまった費用がかかり、価値が下落するリスクも伴います。

自分のプレースタイルや利用頻度を考慮し、メリットとデメリットを理解したうえで、賢く活用することが大切です。