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タイトリスト『T400』は“何が”日本人向けなのか?【試打してみた】

タイトリスト『T400』は、何が変わった?

25日、[▶▶▶狙って止められる、日本人のための飛び系。タイトリスト『T400』アイアン、11月4日デビュー]()

■前作と何が違うのか?

現行『Tシリーズ』アイアンの中でも(T100、T100S、T200、T300)最後のピースを埋める最新作。同社は「最もヘッドサイズが大きく、安心感ある見た目で寛容性を高めた」と言う。また、前作になかった部分として『マックスインパクトテクノロジー』という、極薄フェースを後ろから樹脂で支える独自の構造を採り入れた。

そのため、センターヒットはもちろん、下部ヒットなどのオフセンターヒットでも「ガキンッ」という飛び系にありがちな硬い打感はなし。打球音も低く、ボールを潰せる心地よい打感へと変わったことがまず大きな違いとして感じられた。

■「落下角度」だけでなく「初速」も重視

ところで、タイトリストのフィッティングは、数多あるゴルフメーカーの中でも「フィッター資格の取得が難しい」ことで知られる。弾道計測器『GCクワッド』の各種データの読み解きだけでなく、膨大なヘッドスペックとシャフト知識に精通した上で、「スコアアップのためのフィッティング」を標榜している。

そんな同社の「アイアン」フィッティングは、何を重視するのか? 答えの一つが地面への「落下角度」の大きさだ。昨今は同じ7Iでもロフト差が大きいが「落下角度が45〜55°あると、どんなグリーンでもボールを止めやすくなります」とのこと。それだけでなく、「ボール初速も意外に軽視されがち」と話す。

「ボールを止めるためには【1】落下角度が大きく、【2】スピン量が多く、【3】ピーク(最高到達点)を高くすることが基本ですが、キャリーを伸ばすために見過ごされがちなのが【ボール初速】です。ドライバーでは一般的ですが、アイアンでもこの初速を伸ばして安定させることで、ピークを高く・遠くして落下角度を大きくすることに繋がります」(小林フィッター)

■HSの異なるフェーダーの落下角と初速は?

そこで、新しい『T400』をアマ4名が試打してみた。まずは記者(HS50m/s・ローフェーダー)から。『T400』は前作もチェック済みだが、前述の通り「マックスインパクトテクノロジー」が入ったことで、打感や音が良くなったことに驚く。タイトリストは7Iロフト26°のぶっ飛び系でも5I相当に長くしないため、打つ前は「本当に落下角が出るか?」と心配だったが、カーボンでもスチールでも50°前後を出すことができた。

【記者A(HS50m/s)の平均データ】
初速54.3/打出19.6°/スピン5180rpm/落下角48.3°/ピーク40y/キャリー175y/トータル186y

次はアマB(HS40m/s・ローフェーダー)だが、カット軌道かつフェースが被ってインパクトロフトが立つため、落下角を思うように上げられない結果に。ところが、比較として打ち慣れた『T200』を試すと、タテ距離もヨコブレも分散が段違いで、『T400』の平均キャリーが20y勝った。この結果に小林フィッターも「寛容性の高いT400だと、ボール初速の落ち込みが少なくてキャリーが伸び、左右もタテ距離も合う結果になります」とのこと。

【アマB(HS40m/s)の平均データ】
初速43.5/打出18.6°/スピン2956rpm/落下角35.3°/ピーク19y/キャリー138y/トータル156y

■HSの異なるドローヒッターの落下角と初速は?

次はドローヒッターのサンプルデータだ。アマC(HS41m/s・ロードロー)だが、驚きの相性の良さを見せた。自身のアイアン(7Iロフト30°)ではナイスショットが150y前後だが、『T400』ではフェード傾向になり、平均キャリーが150y、トータル165yへ伸びる結果に。こちらも比較用に『T200』を打つと、左右とタテ距離の分散が大違いで、前述のように小林フィッターも「T400だと安定した初速で左右もタテも安定します」とのこと。

【アマC(HS41m/s)の平均データ】
初速46.9/打出18.6°/スピン4098rpm/落下角40.8°/ピーク24y/キャリー150y/トータル165y

最後に打ったのが、アマD(HS48m/s・ハイドロー)だ。ウォーミングアップなしの3球で平均ボール初速が55.7m/sを記録し、落下角度は2球が50°を越え、平均でも49.7°をマーク。平均キャリー183y、トータル195yと持ち球通りのハイドローで安定して長距離を放っていた。

【アマD(HS48m/s)の平均データ】
初速55.7/打出20.7°/スピン4744rpm/落下角49.7°/ピーク41y/キャリー183y/トータル195y

総評として、『T400』アイアンは【初速が上がる】だけでなく、どんなゴルファーサンプルでも【初速が安定しやすい】メリットを感じられた。加えて、高MOIになって左右ブレの分散も減ること。「日本人のため」と言う中身は、タテ距離も左右ブレも減らせることによる「スコアアップ」だと理解できた。

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