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ブルック・ヘンダーソンが6年ぶりメジャーV 4パットダボを乗り越えたカナダの妖精の長い1日 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

妖精の笑顔がはじけた!(撮影:福田文平)

アムンディ エビアン・チャンピオンシップ 最終日◇24日◇エビアン・リゾートGC(フランス)◇6527ヤード・パー71>

最後は3.5メートルのバーディパットを沈めて、2016年の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」以来、6年ぶりのメジャー大会制覇を果たしたブルック・ヘンダーソン(カナダ)が、喜びいっぱいのスピーチで18番グリーンを取り囲んだギャラリーの笑いを誘った。

ブルック・ヘンダーソン優勝を祝す“ド派手演出”【動画】

大勢詰めかけたファンに対する感謝をまず述べた。「ファンのみなさん本当にありがとう。今日は18番のファンが多かったから、最後のパットは緊張した(笑)」。にこやかに謝辞を送り、スポンサーへの感謝の言葉に続けて、「1ミリオンドル(約1億3600万円)の小切手をもらうのはクールね(笑)」とジョークも飛ばし、はじける笑顔が輝いた。

2打差のリードを持って単独首位でスタートした最終日は、前半からつまずいた。1番でいきなりボギーを叩くと、バーディとしたユ・ソヨン(韓国)に並ばれた。その後はソヨン、ネリー・コルダソフィア・シューバート(ともに米国)、そして西郷真央も加わり、一時は6人が首位に並ぶ大混戦。最後の最後で抜け出したブルックは安堵の表情を浮かべた。

一進一退の攻防。6番ホールでは4パットのダブルボギーを喫し後退するも7番でバウンスバックのバーディ。それでも流れを奪うことができずに11番ではボギー。メジャーVが遠のいてもおかしくない状況で「シンプルに考えてやるしかない」と目の前の一打に集中すると自分に言い聞かせた。

210ヤードの14番パー3では1.5メートルについたバーディパットがカップを1周し、底に落ちた。「寄るような気がした」というユーティリティのティショット。「あのバーディで落ち着いて、『獲れるだけ獲ろう』という気持ちになれた」。

続く15番パー5でもバーディ。そして18番でもバーディと5ホールで3つ戻しての勝利。「長い1日だった。バックナインでたくさんバーディを獲れて戻ってこられたのは本当に大きかった」。諦めない気持ちで戦ったブルックに勝利の女神がほほ笑んだ。

「待った甲斐があった」としみじみ語るこの6年間。「KPMGで勝ったときは人生が変わった。ファンやメディアの注目が一気に上がった。そして、私はここにいてもいいんだ、私でもやれるんだと自信が持てた」というメジャー優勝の感情は今でも覚えている。当時18歳。24歳となったいま、そのときに感じた手ごたえをさらに上書きすることに成功した。

17歳のときにアマチュアとして米ツアー初優勝を果たしてから、これで通算12勝目。「もっともっと勝っていきたい」と貪欲に宣言。チャーミングなスマイルで『妖精』と呼ばれたカナダの宝が、さらなるステージアップを目指す。(文・高桑均)

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