北田瑠衣が絶対女王・不動裕理相手に堂々の初優勝!【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
2005年2月、宮里藍と組んだワールドカップで優勝も果たした(撮影:GettyImages)
歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまでの鮮やかな記憶。かたずを飲んで見守る人の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。
北田瑠衣が「一番印象深い」というのは、2004年の「ニチレイカップワールドレディス」でのツアー初優勝。ツアーフル参戦1年目の22歳で、5年連続賞金女王に向けて突き進んでいた不動裕理を撃破した一戦だ。
風薫る5月。交通の便のいい東京よみうりCC(東京都稲城市)で開催される大会は、毎年、多くのギャラリーが詰めかけた。のちに舞台を茨城GCに移して公式戦になる一戦は、当時はまだツアーでも数少なかった4日間大会。最終日はあいにくの雨模様だったが、それでも5697人の観客が集まった。
トータル17アンダーの単独首位でこの日を迎えた北田を3打差で追うのは、アマチュアだった諸見里しのぶ。さらに1打遅れて、不動がいた。前年まで4年連続賞金女王タイトルを手にし、この年もすでに3戦1勝していた。
「前の日は全然眠れなかった。翌日のラウンドのシミュレーションばっかりしていました。1番、2番、3番…って1打1打頭の中で。もっとツアーに慣れていれば最終日のピンポジ(ション)はあの辺だな、とかわかるんですけど、初めてだからわからなくて。18ホールシミュレーションしていたら寝られなかった」。初めての優勝争いに緊張はピークに達していた。
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