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あ〜した天気にな〜れ! 渋野日向子がさらに強くなったと感じた“おまじない”【記者の目】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

切り替えられる力、それこそが世界で戦う武器となる(撮影:福田文平)

単独首位からスタートしながらもスコアを落として21位タイまで後退した「シェブロン選手権」3日目のホールアウト後の練習後、渋野日向子は右足を蹴り上げた。腹が立っていたわけではない。「あ〜した天気にな〜れ!」と言わんばかりに笑いながらシューズを飛ばしたのだ。怒りに身を任せていない証拠に、こちらに気がつくと「お疲れ様です!」と元気に挨拶してくれた。

この笑顔! 渋野日向子、最終日終了直後のインタビュー【動画】

翌日の活躍はご存じの通り。前日のプレーがウソのように気持ちを切り替えて、同じコースとは思えないようなプレーを展開し、最終日のベストスコアタイとなる「66」をマークしてトータル10アンダーまで伸ばし4位タイフィニッシュ。5月の出場優先順位入れ替えとなるリシャッフル以降の出場権、そして来季のシードを大きく手繰り寄せた。

ツアーメンバーとなって初めて臨む米本土での2週間は渋野にとって、そんな“切り替え”が求められた戦いだったように思う。初戦となった「JTCBクラシック」のアビアラGCのグリーンは芽が強くポコポコと跳ねる気まぐれなポアナ芝。時に思いもよらない方向に切れていく。強調したのが「(芽が伸びる)午後スタートはあきらめたほうがいいんかなってくらい(笑)。そこは臨機応変に」と“考えすぎないこと”だった。

割り切れない日もありつつも何とか予選通過を果たした渋野。試練は最終日にやってきた。シードに向けて少しでもポイントを加算するべく28位タイから出たが、「自分のミスが多かった一日でどうしようもなかった」と何をやってもうまくいかない。しまいにはお先のパットを外してダブルボギーを喫するなど、米ツアーワーストとなる「80」を叩いてしまう。

ラウンド中はイラ立つ姿もあったが、ホールアウト後は少なくとも報道陣の前では落ち着いていた。「切り替えたい」。そう何度も言った。『こういうときもある、という感じでしょうか』という質問には「こういうときばかりですね(苦笑)。何回やるんや、という感じですけども」と怒りも見せず、悔しを自虐で紛らわしていたように見えた。「次はやっと自分のせいにできる!」と一週間悩まされたポアナ芝のせいにもした。メジャーに向けて、いい意味ですべてを忘れ去ろう。そんな風に見てとれた。

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