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中村寅吉直伝!真冬での素足の特訓がもたらしたビッグタイトル【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

真冬での素足の特訓が強さを生んだ(撮影:ALBA)

歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまでの鮮やかな記憶。かたずを飲んで見守る人の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。

特徴的なトップ 当時のカメラマンがなかなか撮らせてもらえなかったという貴重な一枚

1979年9月9日。広島カンツリー倶楽部八本松コースでは、女子ゴルファー日本一を決する日本女子オープンゴルフ選手権の最終ラウンドが行われていた。28歳の吉川なよ子と24歳の日蔭温子が一歩も譲らず、マッチレースの様相。本選の18ホールでは決着せず、番外のプレーオフへと持ち越されていた。

この頃、プレーオフではティショットの順番をじゃんけんで決めていた。吉川は、じゃんけんはグーしか出さないと決めていた。「グー以外だと、その後何だか力が入らなくなる気がする」のがその理由。勝負師独特の感覚なのだろう。だが、その結果、パーの日蔭に負けてしまう。とは言え、これはティショットを打つ順番を決めるだけのもの。勝負とは別なのは言うまでもない。

オナーを取った日蔭は、ティショットで痛恨のミスを犯してしまう。このホール右サイドに打ってしまうと、木が邪魔になりグリーンが狙えなくなる。日陰はそこに打ってしまった。

一方の吉川は、フェアウェイの左サイド、絶好の位置をキープした。こうなると日蔭は苦しい。第2打を左のサブグリーンに打つのが精いっぱい。

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