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「プレッシャーを超える技術がなかった」 木下稜介 来年は世界挑戦と賞金王獲りへ | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

今季の振り返り、来季への意気込みを語った(撮影:ALBA)

コロナ禍で2020年、21年を統合して行われた国内男子ツアーは、チャン・キムの賞金王戴冠で幕を閉じた。賞金ランキング2位で最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を迎えた木下稜介は、単独2位以上で逆転賞金王の可能性もあったが26位。「賞金王を目指して、今シーズンやってきましたし、スポンサーを含め、応援をしてくださった皆様の期待に沿えない形になってしまって、それが一番悔しいです」。最終戦のホールアウト後、涙をためて言葉を発した。

今季2勝!木下稜介のドライバースイングをコマ送りで【連続写真】

賞金王への意欲は強かった。2018年に初シードを獲得した木下。2020年の開幕戦「SMBCシンガポールオープン」で6位タイに入り、全英オープンの出場権を獲得した。「20代でメジャーに出場したい」という気持ちを形にした。同時に国内ツアーでは賞金王を目標に定めた。その後、コロナ禍で全英オープンの開催は1年先送りとなってしまったが、世界と戦うために肉体強化と飛んで曲がらないスイングの構築に力を注ぐ。その成果は国内ツアーで大きく発揮された。

今年6月には「日本ゴルフツアー選手権」で悲願のツアー初優勝を遂げると、翌戦の「[スリクソン]()福島オープン」で早々に2勝目を手にした。今季は28戦してトップ10入り13回。最終戦で金谷拓実にかわされたが賞金ランキング3位と、間違いなくツアーをけん引した一人。賞金ランキングは54位、34位と年々上げて迎えた今季は、キャリアハイの成績だ。「以前の自分からしたら、ほめてあげてもいいと思うけど、優勝もできましたし、トップ10も多くありました。それだけに賞金王を獲りたい思いがどんどん強くなっていたから悔しいです」。手に届くところまで来ていただけに、悔しさの方が勝る。

シーズンが進むにつれて、周囲から「賞金王」という言葉を向けられる。「(賞金王のことは)いやでも考える状況でした。プレッシャーは少しありましたね」。連戦続きで終盤戦に差しかかった「マイナビABCチャンピオンシップ」あたりから体にも異変が起こった。「目の痙攣が止まらなかったです。ラインを読む時も痙攣が止まらなくて集中できないこともあったし、体の疲れ、精神的にも少し来てましたね」。人生で初めての経験。無意識のうちに体が反応していた。「プレッシャーはありましたけど、それを超える技術が無かったかな。技術があれば、賞金王も獲れたと思います。その辺がまだまだかなと思います」。今季の活躍を支えた生命線ともいえる正確無比なショットに狂いが生じていた。

今年は賞金王争いという経験のみならず、「全英オープン」や「WGC-フェデックスセントジュード招待」に出場し、世界を肌で感じた。「レベルが高いです。本当に心が折れそうになりましたが、そこで戦いたいという思いになりました」。世界のレベルを感じたことで目標がより明確になった。「来年は積極的に海外の方に出て、もっと自分自身のレベルを上げて、また来年日本で賞金王を獲りたい」。

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