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2回覗いた“弱い心” 中島啓太が勝ちきった、74ホールの心の葛藤 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

リーダーボード

Pos 選手名 Sco 1 中島啓太 -14 2 KHO, Taichi -14 3 CHO, Wooyoung -12 JIN, Bo -12 5 KIM, Baekjun -11 阪根竜之介 -11 7 LAUTEE, Andre -10 LIN, Yuxin -10 9 LEOW, James -9 LU, Sun-Yi -9 順位の続きを見る

弱い心を払しょく アジアの頂点に立った

弱い心を払しょく アジアの頂点に立った(撮影:ALBA)

アジアパシフィックアマチュア選手権 最終日◇6日◇ドバイクリークゴルフ&ヨットクラブ◇6986ヤード・パー71>

ずっと目標としてきた「アジアパシフィックアマチュア選手権」優勝。勝ちきると決めて臨んだ最終日は、2度心が折れかけた。

中島啓太はまさに“教科書” 『ハイハンド』で効率的に飛ばす!【連続写真付き解説】

1度目は、9番パー4でのダブルボギー。序盤で単独トップに抜け出して3打差をつけていたが、ティショットをバンカーに入れて2打目はラフ。「フライヤーして、キャリーが10ヤードくらい出過ぎた」と3打目はグリーンを大きくオーバーして4オン2パット。ここでリードを失ってコー・タイチ(香港)に並ばれた。

さらに、13、14番とコーが連続バーディを奪って「タイチに単独1位に行かれて、一瞬、諦めかけました」。ここで再び気持ちが折れかけたが、「こんな所で終わっちゃいけない」と気持ちを奮い立たせ、直後の15番で1つ獲って首位に並び、プレーオフまで持ち込んだ。

18番パー4で行われたプレーオフ。72ホール目、引き分けたプレーオフの1ホール目は、どちらも「左の池にビビっていた」と右のバンカーにつかまってパーだった。しかし、決めなきゃいけない最後の戦い。プレーオフ2ホール目のティショットはしっかりフェアウェイを捕らえ、対するコーは、右バンカーから2打目をグリーン手前の池に落とした。「タイチが池に入れたとかは関係なく、絶対にバーディを獲れるっていう気持ちがあった」と、諦めかけた弱さは微塵もない。5メートルのバーディパットは、外れる気がしなかった。

ウィニングパットを決めた瞬間、大きく拳を振り下げてガッツポーズ。グリーン脇で待っていた5人の日本人選手たちが駆け寄ると、熱いものがこみ上げた。優勝カップの横に立つと、「家族や、ゴルフを始める前からサポートしてくれていた人を思い出しました」と、こらえきれない涙がこぼれる。

素顔は涙もろい21歳。スタート前も「タイチやユーシンと、すごい選手に追い掛けられるのが怖かった」と、緊張とプレッシャーで泣きそうだった。「精神的に、強くなった自分を見せられたと思います」と笑う新チャンピオン。きっと今年が最後になる「アジアアマ」で、掲げた目標通りに勝ちきった。この優勝で「マスターズ」出場が確定し、来年は「全英オープン」、「全米オープン」を加えた海外メジャー3試合が決まっている。「来年は大きな年になると思う。1試合1試合ちゃんと準備して、ベストパフォーマンスをだせるようにしたい」と、新しい一歩を踏み出した21歳は、これからもっと強くなる。

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