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“格上”の石川遼撃破へ、前日会見から奇策 自律神経を完全コントロールで344試合ぶりV【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

自律神経のコントロールが“格上”の石川遼撃破へつながった(撮影:ALBA)

歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまで鮮やかな記憶。かたずをのんで見守る人々の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の数々の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。

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頂上アタックへのミッションは、すでに3日目ホールアウト後の記者会見から始まっていた。この時点で、9アンダーで並んだのが今回の主人公・横田真一と、石川遼、谷原秀人の3人。「僕よりは格上の2人」(横田)との対決を控え、横田は報道陣を前に意外な言葉を口にする。

「明日は85、6くらい打ちますよ」。2000年の全日空オープン以来10年ぶりの優勝に、ビッグチャンスが巡ってきたタイミング。「勝ちたい」という言葉が期待されるムードのなか、思ってもいなかった発言が飛び出し、会見場は笑いに包まれた。「みんなが笑ってくれて、心がスッと、すごい楽になった。『これだ!』と思ったんですよ」

実はこれ、横田ならではの「プレッシャー解消法」のひとつだった。「普通『いいイメージしか、持たなくちゃいけない』などと言いますが、極度の緊張の中では真逆で、開き直るのが必要。それを自分でジャッジしたんです」。

緊張しないようにするために、どうすればいいか。そのヒントをくれたのは、2年前の2008年から師事していた自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部の小林弘幸教授。「小林先生から『自律神経をコントロール出来たら、優勝できますよ』とアドバイスを受けて、そのコントロール法を教わったんです」(横田)。

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