「ほぼ完璧だった」 キラリ涙も…古江彩佳が3ホールのプレーオフを制し所属選手の役目果たす | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
リーダーボード
Pos 選手名 Sco 1 古江彩佳 -12 2 勝みなみ -12 3 渋野日向子 -11 4 上田桃子 -9 稲見萌寧 -9 6 柏原明日架 -8 高木優奈 -8 8 笠りつ子 -7 全美貞 -7 辻梨恵 -7 順位の続きを見る
優勝後、込み上げた思いをこらえることができなかった(撮影:上山敬太)
<富士通レディース 最終日◇17日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679ヤード・パー72>
降雨によるコースコンディション不良のため最終ラウンドは中止。2日目を終えトータル12アンダーで首位に並んでいた古江彩佳と勝みなみが、3ホールのストロークプレーによるプレーオフを行った。変則プレーオフは、17番パー3でバーディを奪った古江が競り勝った。2020年に3勝を挙げたが、21年はこれが初勝利。19年にアマチュア優勝を遂げた思い出の大会で、所属契約選手としての役割を果たした。
「古江ちゃんのショットが素晴らしかったので、そこが勝敗を分けたかな」。勝も脱帽する1打だった。16番パー5を互いにパーで終えて迎えた17番パー3。ピンはグリーン右奥に切られ、右に外すと崖下のようなバンカーが待ち受ける。そして雨と強いアゲンストの風という難条件。先に打った勝は、左に曲がるボールでピンの20メートル左にオン。そして「狙いはもう少し左だった」という古江は、5番ウッドで打ったショットがピン方向に真っすぐ飛び、手前2メートルに乗せて、きっちり沈めた。続く18番パー4は、花道からの3打目を6メートルショート。それでも、勝がグリーン奥からの3打目のアプローチをカップインさせられず、入れれば優勝というフックラインを読み切った。「プレーオフのショットはほぼ完璧だった」と強さを見せつけた。
優勝インタビューでは、こみ上げてくるものがあった。「今年は悪くないけど、うまくいかないときがあって、思い出しました」。20年に3勝を挙げたが、今年に入って開幕から5試合連続トップ10入りを逃すなど、特に春先に苦しんだ。4月以降、優勝争いに加わるようになったがシーズン4勝目が遠い。心境の変化があったのは夏場の海外メジャーだ。「エビアン選手権」で4位、「AIG女子オープン」(全英女子)では20位に入った。「少し上位に入れたので、今年は悪いわけではないと思えて、しっかり調子を戻せました」と大舞台で自信を取り戻した。
バーディ合戦の今大会は初日から「強気な気持ちをやめないことが大事。怖がらないことを意識した」。プレーオフの17番のティショットが象徴するように、取り戻した自信と強気な攻めで勝ち取った優勝だった。「(大会主催の富士通に)所属させてもらっているので、優勝が一番喜んでもらえると思った。うれしかったです」。賞金ランキングは4位。1位の稲見萌寧とは約5800万円の差があるが、「シーズン終盤も楽しんで自分のゴルフをやりたい」という古江が女王レースの台風の目になるかもしれない。(文・小高拓)
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