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麻酔をしながらQTを受けた男 山本太郎の苦節6年 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net

リーダーボード

Pos 選手名 Sco 1 時松隆光 -15 2 大岩龍一 -14 3 石坂友宏 -11 白佳和 -11 5 西山大広 -10 池田勇太 -10 稲森佑貴 -10 山本太郎 -10 池上憲士郎 -10 10 A・エバンス -9 順位の続きを見る

『山本太郎』、覚えやすい!

『山本太郎』、覚えやすい!(撮影:上山敬太)

<[スリクソン]()福島オープン 2日目◇25日◇グランディ那須白河GC(福島県)◇6961ヤード・パー72>

ツアーデビューから4年の28歳。長い下積み時代が続いている選手が、ようやく報われるチャンスがやってきた。

同年代のこの選手、今日は同組3人で35アンダーまで行きました【写真】

「[スリクソン]()福島オープン」2日目。1イーグル・7バーディ・1ボギーの「65」をマークして、スコアボードの上位に来たのが『山本太郎』だ。男子ツアーではなかなか見慣れない名前。それもそのはず、レギュラーツアーは昨年の本大会以来、これが4戦目だ。

日本大学を2016年に卒業したが、ツアーデビューは2017年「RIZAP KBCオーガスタ」。それまでのあいだ、試合に出るための「自給自足」の生活だった。大学4年で初めてQTに挑戦したが、前日の練習ラウンドでカート横転の事故に遭い靱帯(じんたい)を損傷。「どうしても出たかったので、麻酔を受けながら出てホールインワンもしたんです」と根性でプレーしたが、第3ラウンドの途中で歩けなくなって棄権。その後はリハビリをしながら、インドアでアマチュアにゴルフを教えて3年間働いた。

それでも「選手として頑張りたい」という思いは消えず、門を叩いたのが地元の埼玉県にある名門練習場。今平周吾を輩出した『ゴルフパートナー 日高プラスワン練習場店』だった。「自分の練習環境を整えたいと思って。今はアルバイトとして、今平プロを育てた大宮(英二)プロと一緒にスクールをやっているのと、自分でラウンドレッスンもしています」と、ほぼ毎日レッスンを行いながら合間に練習を行う日々だ。

19年、3度目のQT挑戦はファイナルまで進んだが最終的なランキングは282位と、なかなかツアー出場が見込めない。予選会を突破して出場権を得たこの大会が、1年ぶりのツアー参戦だった。長い長い道のりだが、「選手としてトントン拍子にいっていたらレッスンはやっていない。とてもやりがいがありますし、今日も生徒さんが応援に来てくれた。普通だったらボクだけについて歩いてくれるなんてないですよね」と、身近な応援団が力にもなっている。

本大会で目指すのは、トップ10に入って次の試合の出場権を獲得すること。当然、その先も見据えている。「同じ埼玉在住の片岡尚之が初優勝されて、ボクも勝てば2年シードを得ることができる」。埼玉から駆けつけた6人の応援団の声を背に、目指すは頂点。長い下積みを終えて、開花する準備はできている。

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